読書記録

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2004/03/21

『30年代の危機と哲学』 編訳:清水多吉・手川誠士郎

1999 平凡社ライブラリー 204P

1930年代を代表するドイツの三哲学者の講演、論文集。

三者三様社会における立場の違う中、一貫してそこに見える先見性と硬質な思考。

ちなみにハイデガーの悪名高い論文がこの前者のものです。

後者から私の好きな後期ハイデガー思想への転回を見せてくれます。

大恐慌から第二次大戦勃発までの暗澹とした時期。

霧の正体を明かそうとした、特にフッサールの一編はオススメです。

推奨度

★★★★

内約

フッサール『ヨーロッパ的人間性の危機と哲学』

ハイデガー『ドイツ的大学の自己主張』『なぜわれらは田舎に留まるか?』

ホルクハイマー『社会の危機と科学の危機』

 

2004/03/19

『言葉についての対話』 著:マルティン=ハイデガー 訳:高田珠樹

2000 平凡社ライブラリー 228P

ハイデガーと日本人の対話。

日本人として私は『存在と時間』よりも格段に面白く興味深かった。

勿論『存在と時間』を読んだ上、若しくは概観を知っている上でのこの本なのだが。

「言の葉」

云われてみるまで思考を馳せなかった今までの自分が少々厭になった。

内容についてここに記述するのは、この本を読んだ後では蛇足というか何と云うか。

人間性等少々問題のある彼だけれど、そんなことは摘んで放り出して一度は読んでみましょう。

何だかんだで矢張り凄いです、ハイデガー。

推奨度

★★★★★

 

2004/03/17

『世界地図から歴史を読む方法』 著:武光誠

2001 河出書房新社 205P

正直タイトルと内容が一致しない。

『国境と民族問題と歴史』って感じか。

その上表記も古臭い(サラセン帝国とか)。

が、しかしそれは問題外。

民族問題についての概観書としては地図もふんだんに使っていてお薦めの一冊です。

大学入試程度に毛の生えたくらいのものだと思いますが、

そのためもあって歴史をあまり知らない人に読んで欲しい一冊です。

しかし、この本が出版されてから半年以内に911が起こるとは……。

あの後書きを書いた著者としてどういう想いだったのだろうと勝手に想い馳せてしまいます。

推奨度

★★★★

大見出し

弱小の民族が広大な領土を制覇しえた秘密 強国の脅威から文化と誇りを死守した小国の苦闘

宗教対立から国境線を争った民族摩擦の爪痕 列強に挟まれ、翻弄された悲劇の民族たち

今に続く民族紛争の火種を世界地図から読み解く

 

2004/03/15

『精神現象学(上)』 著:ヘーゲル 訳:樫山欽四郎

1997 平凡社ライブラリー 491P

ヘーゲル、今更ヘーゲルとか思う勿れ。

精神現象学は別訳を中学時代に読んで、今回現在の視点から再読してみようと思い至ったわけですが。

えー、まだ上巻だけなんですが。

成る程これぞ弁証法、ヘーゲルの前にヘーゲル無し、ヘーゲルの後にヘーゲル無し。

ただ正直回りくど過ぎ。

いやそれが相手を言いくるめる手法なんですがね。

新たに見えたものもそんなに無かったし、敢えて云うなればマルクスがヘーゲルを離れた理由の納得でしょうか。

ヘーゲル先生は講義を聴いてみたかった。

しかし何だかんだ云っても、一度は読んでみることをオススメします。

下巻はいいや……。

推奨度

★★★

大見出し

意識 自己意識 理性 精神

 

2004/03/10

『人体と宇宙のリズム』 著:ルドルフ・シュタイナー 訳:西川隆範

2003 風濤社 205P

哲学者シュタイナーは本当に大好きなのだけれども……

……と云ったような一冊。

いや端々に見える冴えた思考は素晴らしいと思うんですけどね。

哲学からもグノーシス的なところからも離れている内容だし、どうにもこうにもブッ飛び過ぎているので。

インド的なようで中途半端に科学的だから微妙なところ。

下の大見出しに書かれていることに関してどっちつかずというのは好ましくない。

それが完全に抽象世界の話ならばこの上なく面白いんですけどね。

だからこそ哲学者シュタイナーは好きなのですが。

シュタイナーのカント批判は是非一読あれ。

まぁ兎にも角にもこの本はオススメ出来ないですね……。

一つ絶対分かっておいて欲しいこととしては、

これ系の本を読んでシュタイナーに対するバイアスを持ってはいけません。

推奨度

★★

大見出し

宇宙と人間のリズム 血圧について・呼吸について 体操・踊り・スポーツ 人体の構築と崩壊

墓地の話 水の流れと宇宙 地球のリズム 太陽・月・星 月のリズム

 

2004/03/09

『量子物理のはなし』 著:ミグダル 訳:田井正博

1998 東京図書 234P

正直なところまともに読んで血反吐吐くくらい難解でした。

特に「量子物理学の誕生」「量子力学の問題」の二つは難解数式乱れ撃ちで死にました。

まともに読んだとは云え理解には程遠いこと限りなしです。

ただ後半三つは科学哲学な感じで数式も頭を引っ込め、面白く読めました。

いやそれでも理解したかと問われたら口を濁しますが。

色々教訓として得るものはありました。

でも本当難しいんで。

推奨度

★★★★

大見出し

量子物理学のおもなできごと 量子物理学の誕生 量子力学の問題 量子論の物理学的基礎 真空の量子物理学 統一をもとめて

 

2004/03/08

『図解雑学複雑系』 著:今野紀雄

1998 ナツメ社 223P

見開き一つで小項目一つ、文章と絵が一頁一頁に記載。

読み易くなるだけ具体的にしようとされているので、理解がし易い。

複雑系という言葉に興味がある人への入門書。

それでもそこそこの数学的知識は必要ですが。

複雑系は色々と利用価値の高い理論で応用は幾らでも利きそうなので、

専門の方にもどうにかして取り込めないかと少々画策中。

推奨度

★★★★★

大見出し

複雑系って何だろう フラクタル カオス セルオートマトン パーコレーションのモデル 日常生活の複雑系

 

2004/03/06

『物理法則対話』 著:亀淵迪

1996 岩波科学ライブラリー 125P

対話式で読み易い初級者向け。

著者も最後に述べているように私論も少し書かれている点も少し異質。

ただし1996年刊なので今後の展開についての論はその点の理解を。

物理に興味があって少し基礎は分かると云う人や、頭馴らしにオススメ。

と云っても何だかんだで難しいことは難しいですよ。

推奨度

★★★★

大見出し

プロローグ──模型と法則 古典的法則観1──ニュートン的パラダイム 古典的法則観2──法則のなりたち

相対論の教訓 量子論の教訓 新しい教訓 エピローグ──科学より空想へ

 

2004/03/05

『哲学者群像101』 編:木田元

2003 新書館ハンドブック 上下段組230P

下の書と同様哲学の入門向け。

ただ少しマイナーな人もいるし、入る順番としてはこれが二番目というのがよいかと。

中級者や上級者も一覧みたいな感じで持っていても損はないと思われる。

下記同様内容に不足を感じるのは仕方ないとして。

これも良い本です。

ちなみにリアルで知っている人ばっかですよ、寄稿者の方々。

推奨度

★★★★★

挙げられている方々

タレース アナクシマンドロス ピュタゴラス ヘラクレイトス クセノパネス パルメニデス ゼノン(エレア) エンペドクレス アナクサゴラス

デモクリトス プロタゴラス ソクラテス プラトン アリストテレス ピュロン エピクロス ゼノン(キュプロス) キケロ ルクレティウス セネカ

エピクテトス マルクス=アウレリウス=アントニヌス セクストス=エンペイリコス オリゲネス プロティノス アウグスティヌス ボエティウス

エリウゲナ アンセルムス アベラルドゥス アヴィセンナ アヴェロエス マイモニデス トマス=アクィナス エックハルト

ドゥンス=スコツゥス オッカム クザーヌス フィチーノ ピコ=デラ=ミランドーラ エラスムス ルター パラケルスス モンテーニュ

スアレス ロジャー=ベーコン フランシス=ベーコン ブルーノ カンパネッラ ベーメ

デカルト ホッブズ ガッサンディ パスカル ゲーリンクス スピノザ マルブランシュ ライプニッツ ベール ロック バークリー ヒューム

ヴィーコ モンテスキュー ヴォルテール ルソー ディドロ ダランベール コンディヤック ヴォルフ バウムガルテン カント レッシング

メンデルスゾーン ハーマン ヤコービ ヘルダー ベンサム ミル ラインホルト フィヒテ シェリング バーダー ヘーゲル

シュライエルマッハー ショーペンハウアー シュトラウス フォイエルバッハ キルケゴール サン=シモン フーリエ コント

メーヌ=ド=ビラン バクーニン マルクス エンゲルス ダーウィン スペンサー ヘルムホルツ マッハ ニーチェ

 

2004/03/03

『日本一わかりやすい哲学の教科書』 著:小須田健

2003 明日香出版社 213P

哲学の入門書として名は体を顕している。

初心者は勿論中級者でも読んで楽しんだり頭の体操になったりするんじゃないだろうか。

内容に不足を感じるのは仕方ないとして。

これは良い本だ。

推奨度

★★★★

メインで挙げられている方々

ソクラテス プラトン アリストテレス アウグスティヌス トマス=アクィナス モンテーニュ デカルト パスカル スピノザ ライプニッツ

ホッブス ロック ヒューム ルソー カント ヘーゲル キルケゴール マルクス ニーチェ フロイト フッサール ハイデガー

ヴィトゲンシュタイン ポパー ハンソン クーン サルトル メルロ=ポンティ