読書記録

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2004/04/14

ほっとする禅語70』 監:渡會正純 書:石飛博光

2003 二玄社 157P

何はともあれ読みましょう。

推奨度

★★★★★

70

日々是好日 喫茶去 明珠在掌 行雲流水 卒啄の機 我逢人 平常心是道 無事是貴人 阿吽 不可思議 一日不作/一日不食 放下着

和敬清寂 無功徳 知足 和光同塵 春は花/夏ほととぎす/秋は月/冬雪さえてすずしかりけり 無常迅速 一行三昧 遍界不會蔵

愛心 老婆心 回光返照 廓然無聖 他不是吾 本来無一物 喝 一期一会 主人公 惺々着 人人悉道器 夢 両忘 拈華微笑 莫妄想

曹源一滴水 非思量 一円相 白馬入蘆花 あるべきよう 名利共休 空 善をも思わず/悪をも思わず 松樹千年翠 人身得ること難し

壺中日月長 滅却心頭火自涼 泥仏不渡水 誰家無明月清風 一心 竹に上下の節あり 白雲抱幽石 前三三後三三

月は青天に在り/水は瓶に在り 黙 工夫 行亦禅坐亦禅/語黙動静体安然 百尺竿頭に一歩を進む 看脚下 時時勤払拭 隻手音声

掬水月在手/弄花香満衣 応に住する所無くして而も其の心を生ずべし 一華開五葉 庭前柏樹子 万法帰一 百不知百不会 襤褸

把手共行 柳緑花紅

 

2004/04/13

『オルフェウス教』 著:レナル=ソレル 訳:脇本由佳

2003 白水社文庫クセジュ 165P

色々と良い示唆を与えて貰いました。

日本語でこんなマイナーなテーマ、しかも文庫で読めるなんて、いや凄いですね白水社、思い切ったことします。

グノーシスの本だって文庫は無いような……?

以下少々内容その他諸々についてつらつらとメモ書き。

恥ずかしいからどうでもいい人は見ないで下さい。

グノーシスの源流と云っても過ぎない宗教(果たして宗教という名詞を当て嵌めていいのかどうかは判断不能)。

初期イニシエーション、秘儀密教。

主潮への反逆的性格。

八つ裂きにされたディオニュソスの肉片から人類誕生。

つまり人間は産まれながらにして内には神性を秘めている。

現実世界は悪、生きること自体も悪、殺生も悪、自殺も悪。

苦なる輪廻転生の思想、現世での節制修業で解脱(解脱という名詞の使用が適切かは判断不能)。

ヘレニズム時代以前にインド思想が流れ込んでくる可能性はあったかどうか?

成立がペルシア戦争の後という推測だから、アケメネス朝を通してウパニシャッド哲学、

ひいては仏教が商人などを通じて話だけ伝わっていた可能性もある(あくまで単なる可能性)。

一般的に主潮だったホメロスからのギリシア神話観を真っ向批判するように、

しかし原型はそこにあるということで、インド思想+ギリシア主潮思想という単純な話だったら楽なことだろうに。

冥界下りの話、古代メソポタミアのイシュタルの黄泉下りから?

これは可能性が高いと思われる、前1800年頃のものとされているから、時間的には1000年以上、

充分広まっていてもおかしくはない、寧ろ原型を留めずということも時間経過と符合するのではないだろうか。

以下ヘラクレイトスの引用。

「不死なるものが死すべきであり、死すべきものが不死なるものである。

あるものの生は他のものの死であり、あるものの死は他のものの生であるのだから」

反対のものを同一と見なす原理がオルフェウス教教理と類似(インド思想的)。

現代の生物学的に云うところではこれは真理、勿論ここでの意味を単純に食物連鎖と捉えるのは誤りだろう。

しかし人間のディオニュソス回帰という意味が含まれているにしても、

それはあくまでオルフェウス教側からの解釈であって、

ヘラクレイトスが食物連鎖を意図していたことを否定するのは不可能。

以下プラトン(言ソクラテス)からの引用。

「誰が知ろう、この世の生は死であって死こそがまことの生であることを」

しかしプラトンはオルフェウス教批判。

逆に云えばプラトンが批判するほどオルフェウス教は当時のギリシア人達へ影響を及ぼさんとしていた。

以上、著者の推論も混じっている本な上に、完全に私論なので全くアテになりませんが。

推奨度

★★★★

大見出し

不敬な敬神とオルフェウス教の信仰 ギリシアにおけるオルフェウス伝承のいくつかの段階 「オルフェウス全集」の変容 伝説から神話へ

オルフェウスの伝説 オルフェウスの神話 射影としてのムサイオス ヘシオドスの宇宙誕生譚と体系の一般的特色

オルフェウス教の宇宙と神々の誕生譚、その伝達と多様性 『鳥』の宇宙誕生譚 アテナゴラスとダマスキオスの説

ファネスからディオニュソスへ─デルヴェニ・パピュロスと『二四の叙事詩からなる聖なる言説』 『アルゴナウティカ』の説

切り刻まれた神の神話 ディオニュソス教のディオニュソスとオルフェウス教のディオニュソス ティタン族と人類 生活様式としての浄め

オルフェウスの秘儀 冥界の分かれ道とオルフェウス教の道案内─金板 不死なるものが死すべきもの(ヘラクレイトス)

不死性への関心(プラトン) 紆余曲折、そして伝説への回帰 美学における伝統への反逆

 

2004/04/12

『アレクサンドロス大王』 著:ピエール=ブリアン 訳:田村孝

2003 白水社文庫クセジュ 163P

かなり鋭い批判と分析力を持った著者。

既存のアレクサンドロス観をビシバシ批判しています。

しかもその批判はなるほどと納得し頷けるものばかり。

口が巧いのではと云ったらそれは否、明証性の無いものには無いときちんとそういう批判を下していますし、

論理破綻もおこしていません。

引くところは引いて押すところは押す。

高校世界史で植え付けられたアレクサンドロス観とは、また随分様相の違う男を見ることが出来るでしょう。

といっても、冒頭で著者の述べているとおり伝記ではなく、また裏表紙に書いてあるような概説書でもないです。

推奨度

★★★★

大見出し

アジアに乗り出すまでのアレクサンドロス 征服の諸段階 征服の起源と目的 征服に対する抵抗運動 征服地の統治、防衛、開発

マケドニア人、ギリシア人、イラン人とアレクサンドロス 不安定な事業継承

 

2004/04/11

『ミシェル・フーコー』 著:フレデリック=グロ 訳:露崎俊和

1998 白水社文庫クセジュ 153P

フーコー入門として謳ってはいるが、この本から第一歩を踏み出すのは厳しいと思う。

文中、突如としてフーコーの思想なのか著者の思想なのか第三者の思想なのか判らなくなることしばしば。

著者の思想が前面に出過ぎているのではないかというのが正直な感想です。

尤も、フーコーという本当に異貌な思想家、概説するのも大変だとは思いますけれど。

悪い本じゃあないですよ。

「あーフーコーって変なヤツなんだなー」ということは充分伝わりますし。

取り敢えず、青少年に有害な何とかで規制などなど宣っている笑われ芸人達には、

フーコーを365回は熟読してもらいたいですね。

推奨度

★★★

見出し

地方ブルジョワ家庭の子息として 輝かしき知性の徒弟修行時代 北の国々 パリの知識人 南の国 政治的なるものの再発見

経験としての国外移住 狂気と死 文学の経験 言説の分析 知への意志 規律社会 権力と法 統治性と真理を語ること

晩期フーコーの謎 快楽の活用 自己への配慮 真理への勇気

 

2004/04/10

『古事記の民と聖書の民』 著:関根文之助

1989 人と文化社 197P

全編に渡って特徴を比較しているといったわけではなく、内容は見出し通り。

しかし改めて日本の柔軟さがよく分かったと同時に、日本に於いて何かを押しつけることの愚かさも再確認。

何かを排斥する人間というのは大したものじゃない。

それは宗教だけに限らず、最近云われている日本語の乱れなどというのも、

真に日本語の本質というものを理解していない愚鈍な方々が高らかに叫んでいるだけですよ。

以下、氏の一文引用。

「他の宗教に対し、敬意を表さない人が、どうして、みずからの宗教が尊ばれるだろうか」

まったくです、世界中に散在する愚者どもにぶつけてあげたい詞です。

推奨度

★★★★★

見出し

日本の不思議な宗教社会 外国人の宗教政策 外国人から見た日本人の宗教観 汎神論と一神論 神道とは 神道の根本思想

神宮・神社の歴史 神道の神々とユダヤ・キリスト教の神 『古事記』と『旧約聖書』 『古事記』について 『古事記』の神々を読む

祭りと信仰 『旧約聖書』について 『新約聖書』について 儒教について 陰陽道について 仏教について 外来宗教の日本化について

ネストリウス派・キリスト教 カトリック・キリスト教の伝道 プロテスタント・キリスト教の伝道

 

2004/04/09

『言語ゲーム一元論 後期ウィトゲンシュタインの帰結』 著:黒崎宏

1997 頸草書房 220P

日本におけるヴィトゲンシュタイン研究の現・第一人者の論文集。

流石にヴィトゲンシュタイン、100年早く産まれた男。

構造主義を進んだのがポスト構造主義と呼ばれているものなわけですが、

それの大御所であるデリダをものともせず圧倒する思想がヴィトゲンシュタインのものです。

「破壊、全てを破壊、灰燼と化せ瓦礫の山を築き上げろ!! ヌワハハハハハッ!!」

とかいう魔王の如き声を聞いたかのような錯覚に陥る対立思想家は数多くいることでしょう。

ヴィトゲンシュタイン批判って完全な批判になりきらない場合が殆どですから。

偏見の破壊、虚且つ真という禅的思考など、ヴィトゲンシュタインからの示唆は私的に大きいです。

21世紀はヴィトゲンシュタインとホワイトヘッドですよ、これからの時代を生きるには読んでおくべきですよ。

後期ヴィトゲンシュタインをよく纏め上げている素晴らしい論文集です。

でも、矢張りウィトゲンシュタインという表記は気になって仕方ない。

それと、この本言語学のコーナーに置いてあったけど、それは違うと思います。

推奨度

★★★★★

大見出し

純粋な持続 言語・存在・事実 動物と言語 人間と言語 後期ウィトゲンシュタインの核心 後期ウィトゲンシュタインに何を学ぶか

後期ウィトゲンシュタインを統一的に理解する試み 反哲学者ウィトゲンシュタイン ウィトゲンシュタインとカント ウィトゲンシュタインとフロイト

ウィトゲンシュタインと建築 ウィトゲンシュタイン紀行

 

2004/04/08

『たった一つの、私のものではない言葉』 著:ジャック=デリダ 訳:守中高明

2001 岩波書店 184P

これは意図的にやっているのかそれとも手抜きなのかはたまた実力不足なのか。

内容が言語学で著者がデリダなだけに、訳がアレ過ぎても三つのウチのどれなのか判別不可能。

まさか翻訳不可能性を体現してみせたなどということは……。

デリダの著書でなかったら、途中で読むのをやめていたことでしょう。

内容に関しては、命題の引用が凡てかと。

「私は一つの言語しか持っていない、ところがそれは私の言語ではない」

取り敢えず、デリダの入門書としては確実に不適切です。

推奨度

★★

 

2004/04/07

『ボーア戦争』 著:岡倉登志

2003 山川出版社 240P

日本における数少ないボーア戦争研究者。

核となるのはイングランド人一般の「帝国意識」。

……と解釈。

それと、後書きにも触れている通り、「あ〜あ……やっちゃったよ……」なイラク戦争批判。

戦争そのものの経過に関する章よりも、その原因や周縁についての方が面白いです。

特に、コナン=ドイルやチャーチルに対して固定観念を持ちがちな環境にいる日本人にとっては、

その偏見は崩されることでしょう。

推奨度

★★★★

大見出し

留学生の見たボーア戦争 戦争への前ぶれ 最初のボーア戦争 金のための戦争? 大英帝国の戦争 ゲリラ戦とゲリラ対抗作戦

戦争とサブ・カルチャー 戦争と知識人 戦争と黒人

 

2004/04/06

『ルネサンスの知と魔術』 著:澤井繁男

1998 山川出版社 227P

良い本を読んだ後はとても気分が善い。

ルネサンス・魔術などに対する平均的日本人が抱いているバイアスを破壊してくれる本。

内容もさることながら、著者のスタンスが至高に共感。

以下勝手に引用。

「私自身、専門は? と問われると一応カンパネッラを中心とする後期ルネサンスと応えるが、

ルネサンスを一つの有機体としてみなしていることからも、

ルネサンスじたいが専門だと、大風呂敷に思うこともある。

しかし研究対象の人物が、すべての知を体現している以上、そうなるのは当然と言えよう。

大風呂敷と卑下する必要はない。むしろこの時代を探求するにあたって、

時代や人物のある面だけを掘り下げてみてもかえって不毛と言えるのではないか。

相手が万能人なら、こちらも万能といこうではないか。

不可能ならば、近づけるよう努めることだ」

激しく同意ですよ先生。

いやまだまだ日本の研究者陣も棄てたモンじゃないですな。

こう云うことを後書きに於いて著述してくれるお方がいたというだけでももう私は感動モノですよ。

兎に角いいから読んでみよう。

推奨度

★★★★★

見出し

三つめのルネサンス <心臓を食う話>の視座 肉欲の肯定 性交の相 死に際の機知 知の形 知の広がり <文法>の位置

<有用性>の意義 <徳性>の翳り カランドリーノ説話群 預言者カンパネッラ カンパネッラの空間性 カンパネッラ的地動説

 

2004/04/05

『歴史学の現在 古代オリエント』 著:山田雅道、他

2000 山川出版社 210P

意外なところで意外な人を発見した気分。

これ一冊あればアッシリア学はいいやって思える本。

特に素人ならもう全く問題ないでしょう、というか素人相手には少々専門的過ぎです。

前書きにも、この分野を更に深く知りたい学生/教職員、卒論修論対策の学生向けと書いてありましたし。

シュメール以前からアケメネス朝までの詳しい概観です、アッシリア学なのでエジプトは基本的に対象外です。

イスラエル史も対象外となっていましたし、ヘレニズムもまた然り。

三度の飯より午後ティーが好きなお方です。

推奨度

★★★

大見出し

総論 都市国家から統一国家へ 群雄割拠から再統一へ 多極化する世界 帝国の時代1 帝国の時代2