読書記録
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2004/07/14
『アインシュタイン、ひとを語る 序文を中心に』 編:金子務/板垣良一 訳:佐藤恵子/田中純
東海大学出版 232P
アインシュタインによる様々な著作における序文を集めたもの。
つまり、アインシュタインによる書評とも云えるし、しかもお墨付き。
なかなかに知らない著書ばかりですが、その理由としてはやはり翻訳されてないからですね。
翻訳版が見つかったら色々読んでみたいですね。
取り敢えずは、アインシュタインによる大量の序文でお腹一杯にはなりました。
特に、──M・プランク『科学はどこへ行くのか』の序文がお勧めです。
推奨度
★★★★
著書
E・F・フロイントリッヒ『アインシュタインの重力理論の基礎』 F・エーベルティー『天体と世界史』 C・ワイツマン『イスラエルとその土地』
ルクレティウス『自然論』 D・ライヒンシュタイン『無機物および有機物における界面過程』 E・レルギス『ヒューマニズムの原理』
A・ライザー『アルベルト・アインシュタイン』 R・デ・ヴィラミル『ニュートン』 I・ニュートン『光学』 M・ゲオルグ『テオドーア・ヘルツル』
『宇宙の創造者』 M・プランク『科学はどこへ行くのか』 S・ヘッシング編『スピノザ生誕300年記念論文集』
L・インフェルト『現代科学における世界』 A・ゴールドシュミット『イスラエルはどこへ』 K・クラッツキン『現代のユダヤ人問題』
P・G・ベルクマン『相対性理論入門』 W・ギブズという科学者に関する伝記への序文依頼に答えて Ph・フランク『アインシュタイン』
G・H・シクモニ『ヒューマニズム的ユダヤ教』 S・ラドクリシュナン『マハトマ・ガンジー』 R・カイザー『スピノザ』
D・Q・ポーシン『私はその村へいった』 L・バーネット『宇宙とアインシュタイン博士』 『エルサレム・ヘブライ大学 1925-1950年』
M・レヴィン『探し求めて』 Ph・フランク『相対論』 C・バウムガルト『ヨハネス・ケプラー』 D・D・ルネス編『スピノザ辞典』
G・ガリレイ『二つの主要な世界体系に関する対話』 J・J・ハナック『エマーヌエル・ラスカー』 H・W・スミス『人間とその神々』
M・ヤンマー『空間の概念』 G・シャープ『ガンジーは道徳的な力の武器を用いる』 H・I・ワックテル『万人の安全と自由な事業』
W・G・ミュルダー『責任ある社会の理念』 J・モック『人類の愚行』 J・Ma・コレドール『パブロ・カザルスとの対話』
W・エスリンガー『政治と科学』 自著『特殊、および一般相対性理論について』 自著『相対性理論についての四つの講義』
自著『アインスタイン全集第二巻』 自著『相対論』 マッハ追悼文 ヴェリコフスキーとの往復書簡1946-1955年
2004/07/13
『小さな歴史』 著:ロラン=バルト 訳:下澤和義
青土社 206P
『神話作用』と比べて駄作と云われている本作ですが、個人的には一押し。
歳を取った晩年のバルトがこの本の中に生きているかのよう。
他人にとっては日常の些細な出来事が、彼にとっては日常のスクープ。
これが理解できないルイ=ジャン=カルヴェの株は自分の中で下がりました。
平易なエッセイ集としてバルト入門としてお勧めしたいです。
教訓的になるのは嫌と云っているので、気軽に読むのが適しているでしょう。
一時休止、がそのまま永久休止になってしまったのは何とも悲哀です。
推奨度
★★★★★
大見出し
レニ 理髪店にて またもやセクトが 噂 サイレン 足ばらい ズークはさらに行く ワッペン ヌレエフとラ・ベルマ 日本人 サクランボ
複雑さ モリエール 停電 対話 すこぶるフランス的な ワッペン2 アツダク いつでもそれは繰り返される 命令法
老年は幼年より私の心を動かす 『ライムライト』 「煙草吸うべからず」 毛/道 礼儀正しさ 恐ろしい障害 礼儀正しさ2 振動
理解すること クズネツォフ メキシコ 作家 薔薇 言語が生きているかぎり 聖なるもの デビュー・アルバム スーパーマン 友愛
スーパーマン2 シエスタ 包装 ペルスヴァル 文体論 共有権 ディナー バター 魅惑されて 脱神話化すること 集産化 ロベルト
テンポ テンポ2 まなざし 一時休止
2004/07/12
『小さな神話』 著:ロラン=バルト 訳:下澤和義
青土社 196P
自分が無理解なだけかもしれませんが、なかなか分からない。
エッセイなので文学的要素が強いというか、バルト的に云うならやはりこれは「神話」なのか。
政治的でもあるのですが極めて評価のし難い書物です。
推奨度
★★★
大見出し
スキャンダルとは何か 映画、右と左 食堂車 円卓会議 自宅で編み物 職業の選択 動詞「ある」の用法について 悲劇と高尚さ
二つの見本市
2004/07/11
『日本語の復権』 著:加賀野井秀一
講談社現代新書 201P
今読むなら、この次に出た『日本語は進化する』の方をオススメしますが、
両方読んでも損はありません、結構相補的です。
日本語学の外部、フランス言語学から日本語学を論じていますが、この人は今後注目に値する人です。
中途半端ではなく徹底的に文献調査並びに聞き込み調査を行っているために説得力が非常に強い。
勿論反論点や補強点も少しは思いつきますが、それはあって当然のものでしょう。
補強点でいえば、結論が文末に来るというくだりで、ドイツ語を挙げてみたらもっと良かったかと。
論理的でならしているドイツ語だって、分離動詞や枠構造で動詞が最後に来ることも多々ある、と。
しかしこれを読んで一般的な「日本人」と私は思考にかなりのズレがあることを改めて思いますね。
西洋的か東洋的かといったら、自分はやはり中庸のようで。
推奨度
★★★★★
見出し
あいまいな日本語 二重人格者の会話 「トカタリ言葉」 「ナンカポイ語」 あいまいな日本人? ヨイゴシの豆腐─崩れゆく「暗黙の了解」
言霊の幸わう国 シャルル・ド・ゴール空港ピストル事件 日本語への入口、成田空港 「ゆるしません白い粉」 街にあふれる言葉たち
言霊は現実を隠蔽する 言霊には逆らえない 語っているのは誰か 巧言令色すくなし仁 ソフトな管理のメカニズム 失われゆく言葉
マニュアル言語 恋人とながめるレインボー・ブリッジ なぜ日本語だけが形骸化するのか 甘やかされた日本語 男は黙ってサッポロビール
きかせてよ愛の言葉を 能面のような日本人 「察知の文化」と「疑似家族社会」 短詩系文学と均質社会─長歌から短歌へ
短歌から俳句へ 記号化と記号操作 東照宮と桂離宮は同じ穴のムジナ 「韜晦」と「オーラ」 貧困化する言語 「超ムカつく」若者ことば
甘やかされた日本語の末路 デノテーションとコノテーション 「ブルース・ウィリスは男だ」「男はみんな狼よ」
コノテーション分析の有効性─ダブルバインドをこえて 桜はコノテーションによって美しい 日本語の重層性 本歌取りの妙─狂歌
太田道灌と山吹の故事 差別用語とコノテーション 差別用語の言い換えとデノテーション 言い換えの難しさ
差別用語をめぐる記号操作の限界 コノテーションの光と闇 日本語の落とし穴 便利なテニヲハ
わが国の言語、万国にすぐれて「明詳」なり 「やまと心」はテニヲハに宿る 時枝誠記の「詞」と「辞」 「詞」の重視を説く石川九揚
日本語の成立過程 うたかたの「詞」 「ミーはユーをラブラブよ」 柳父章と「カセット効果」 日本語を点検する
漢字を廃止せよ日本語を捨てよ! 日本語をローマ字で書くと? 日本語を仮名だけで書くと? 漢字はやっかい者か?
漢字仮名交じり文の効用 主語をあらわさない日本語はあいまいか? 日本語では数の概念が曖昧か?
結論が末尾にくる日本語は不合理か? 外からの視点がつくる日本語への偏見 日本語の利点 日本語と日本文化の未来
日本語のさまざまな問題点 日本語と日本的な考え方 「タテマエ」と「ホンネ」 「ソト」と「ウチ」 タコツボ指向 日本語をどう整備するか
進化する日本語 日本語の未来
2004/07/10
『民族とは何か』 著:関曠野
講談社現代新書 230P
賛否両論であろうが、一読に耐える本ではあると思います。
大概にして9章の日本民族問題の下りでの批判が集中し、
本全体としての評価も下がってしまうものかという印象です。
全体としてはなかなかの出来で、歴史変遷を模倣とする説は、面白いです。
しかしやはり日本民族問題。
法的には国民であり市民と呼べるかもしれないが、日本人は民族になっていない、とするのはまぁよしとします。
しかしその“日本人”の定義がさっぱり曖昧不明瞭です。
そのせいでこの章の核心が空洞化してしまっているようです。
推奨度
★★★★
見出し
「民族」という厄介な言葉 二十世紀最大のどんでん返し 民族と種族と国民と ネーション・ステートは「民族国家」である
民族と民族主義についてのさまざまな見解 四つの「民族」論 エリー・ケドゥリー カントが民族主義を生んだ ドイツに芽生えた国家主義
アーネスト・ゲルナー 教育制度と民族主義 戦略としての民族主義 ベネディクト・アンダーソン 印刷の果した役割
輸出されたフランス革命 アンソニー・D・スミス 種族的共同体と民族の違い 二種類の種族的共同体 「種族的なるもの」への接近
最初の民族国家─英国 Nationという言葉の特異性 宗教改革が民族の産婆役 ウォーラーステインの世界システム論
君主制国家より民族国家が有利な理由 資本主義との関係 ヘブライ人─範例的民族 古代イスラエルという範例
ヘブライ人の対等な盟約 「イスラエルの民」の誕生 エジプトにおけるヘブライ人の悲惨 国家が民族に先行する
選民とは政治的に自由であること 国土への関心 民族になることの困難さ─フランス革命 英国という先例 フランス革命の思想的混乱
民族国家モデルの世界史的な実験 十九世紀以降の民族主義運動の原型 民族になることの不可能性─ドイツの場合
革命に呼応しないドイツ マキァベリズムとドイツ帝国 民族の不在 マルクスと「選ばれた階級」 ナチズムの出現
なぜ民族ではなく人種に訴えたか 二十世紀─民族の世紀 アメリカ的な民族国家の論理 スターリンの民族論 ソヴィエト帝国
ソ連は自壊した 旧ユーゴ内戦の背景 ミロシェヴィチとトゥジマン アメリカの世紀への疑問 ロゴスとミメーシス 英国モデルの矛盾と欠陥
歴史は模倣する 世界帝国と国際社会 イスラム原理主義と民族形成 同時多発テロと国連 日本人は民族たりうるか
日中韓三国の絡み合い なぜ黒船ショックで近代化したか イエ社会の役割 明治維新という名のクーデター なぜ征韓論だったのか
大日本帝国の興亡 GHQ改革の問題点 日本人が民族になれない理由 福沢諭吉と中江兆民の未完の論争 裸の個人の誕生
人々の絆を表現する国家であるために
2004/07/08
『精神と物質 意識と科学的世界像をめぐる考察』
著:エルヴィン=シュレーディンガー 訳:中村量空
工作舎 171P
波動のシュレーディンガー。
一番興味深いのは客観化の原理とも関連して、算術上の矛盾の段。
ヴェーダンタの教理について少しでも深く突っ込んで欲しかったのですが、さっぱりでした。
用語こそ用いていませんが、クオリア問題にも触れていますし、
彼の興味がかなり傾いていた生物学への言及も多いです。
推奨度
★★★★
見出し
意識の物理的な基礎 脳と脳の描き出す世界についての問題 試みの解答 倫理の自然科学的理解 知力の未来
生物学的な意味での袋小路か? ダーウィンの進化論に見られる明らかな陰り 行動の影響による選択 ラマルクの進化論の誤り
遺伝学的な意味における習性と技能の固定化 知性の進化にとっての危険性 客観化の原理 「真実世界の仮定」のもたらす矛盾点
ユングとシェリントンの説 人格は個体の内部に見出しうるのか? 現代物理学における主体と客体 算術上の矛盾─精神の単一性
多元の意識的自我と一つの世界 シェリントンの矛盾 世界のすべてが演じられる舞台としての精神 科学と宗教 時間の概念
プラトンのイデアの世界 カントの時間と空間の概念 アインシュタインの相対性理論 時間の統計的理論 感覚的性質の不思議
人間の感覚 光の物理学的特性 観測された事実と科学的理論
2004/07/07
『日本語探検 過去から未来へ』 著:樺島忠夫
角川選書 212P
冒頭の日本語形成について論じる部分は、某書のパクりなのではないかとの疑惑。
全体的には悪い本ではないが、心象はあまり良くなかった。
しかし、最後の今後の日本語教育制度についての提言は、一読の価値あり。
この部分だけ読むのもまたよし。
推奨度
★★★
大見出し
今の日本語文章はどのようにして出来上がったか 日本語語彙はどう変わるのか 語が持つ働きを考える 侵入する外来語
漢字仮名交じりは優れた表記だが…… 日本語表記の難しさ 終わりに─日本語を育てていこう
2004/07/05
『デイヴィドソン 「言語」なんて存在するのか』 著:森本浩一
NHK出版 125P
シリーズ・哲学のエッセンス中、多分一番難解。
しかし最後の方で、デリダの反復可能性との対比で語られて漸く或る程度理解。
人間の頭というものは面白いもので、一度スイッチが入ると連鎖的に分かってくる。
後から気付けばものすごく単純な方法でスイッチを入れられるのだけれども、その方法の存在に気付かない。
さて内容に少し。
「」として規定される、単一概念的な「言語」などというものは存在せずに、話者の数だけ言語は存在する。
使用法がたとえ誤法であろうとも、その意味を解釈するのは発信者でなく受信者であり、
それは無意味な誤りではなく言語の無限の可能性の開けであって、
そうやって言語というものは歴史的に発展を遂げてきた、つまりこの誤りは正確には誤りとも決めつけられないが、
それを含んだ一切のものが言語の本質であり、ただ死んだ音を解釈することだけであり、
発信者の意図には何らの重要性も持ち得ない。
少し伸張させデリダの反復可能性も踏まえるとこんなまとめになりましょうか。
つまりここを究極的に突き詰めていけば、行き着く先はヴィトゲンシュタインになるのでしょうかね。
とにもかくにも、稀少なデイヴィドソン入門書として有り難い一冊です。
推奨度
★★★★
見出し
言語哲学は意味をどう扱うか 意味とは何か 意味は心的なものではない 意義と指示対象 述語関数 文の意義としての思想
文と思想と事態 「ふたり」のコミュニケーション 言語の社会性 社会性とは能力の共有か 言語能力の主体とコミュニケーションの当事者
意味に依存しない解釈 真理と解釈の第一次性 真理条件という考え方 T-文 対象言語とメタ言語 意味の理論
全体論的性質と述語論理 寛容の原理 理論は経験的にテストされる 信念と意味の相互関係 根元的解釈 寛容は強いられている
なぜ言語相対主義ではだめなのか コミュニケーションの哲学へ向けて 解釈のプロセス マラプロピズム 最初の意味
「共有」と理解の一致 学習される規約としての「言語」 事前理論と当座理論 言語非存在論 当座理論はなぜ理論なのか
「言語」が存在しないとはどういうことか 解釈のスキル 「言語」ではなく数多くの言語が存在する 意図と規約 文体的多言語使用
拡張された寛容の原理 規約説からの反論 意図の複数性 デリダとデイヴィドソン 行為の理由としての意図 反復可能性と寄生の構造
多くの言語による約束=合意
2004/07/03
『電脳世界 最悪のシナリオへの対応』
著:ポール=ヴィリリオ インタヴュアー:フィリップ=プティ 訳:本間邦雄
産業図書 155P
質問形式で、現時点で出版されているヴィリリオ著作の中で一番平易と思われます。
それでもかなり難しいんですが、最初に入るならここからでしょうか。
ヴィリリオは、言語能力を磨いて他者と直接対話をしろ、と、とかく警鐘を鳴らしています。
これが副題の最悪のシナリオへの対応、ですね。
全く以てその通りで、思考を規定するのは言語能力、
ヴィトゲンシュタインも言うとおり言語能力の限界がその人物の世界の果ての境界です。
今のような中途半端な言語学習政策で、日本は崖っぷちですね、というか進行形で転落中ですか。
推奨度
★★★★
大見出し
輸送の革命から通信の革命へ 世界の喪失、あるいはどのようにして固有の身体を見出すか
抵抗に入るいくつかのもっともな理由 起こるおそれのある戦争から回復される風景へ
2004/07/03
『ロシアの女性詩人たち』 著:土井紀子
東洋書店 63P
ユーラシア・ブックレット。
何故女性文学研究者は女性ばかりなのだろう。
という些細な懸念は置いておいて。
19世紀の3人は知ってましたが、20世紀の人達は殆ど知らず。
もっと日本でも取り上げていくべきと思うも、そもそもの文学離れがあるので如何ともしがたいですね。
推奨度
★★★★
大見出し
「声」を獲得したミューズたち エカテリーナ・ウルソワ アンナ・ブーニナ カロリーナ・パーヴロフ 激動の20世紀をうたう
チェルビナ・ド・ガブリアク ソフィア・パルノーク マリーナ・ツヴェターエワ アンナ・アフマートワ ベラ・アフマドゥーリナ エレーナ・シュワルツ