読書記録
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2004/09/18
『フリードリヒ大王 啓蒙専制君主とドイツ』 著:村岡晢
清水書院 218P
CenturyBooks人と歴史。
少々古いものですが、今読んでも全く問題無く面白いです。
偉大なる大王、ドイツ王の中の王。
その魅力と彼の辛い境遇を余すところなく書いています。
七年戦争の苦難についてが一番多いです。
ゲーテの段は必見。
彼の軍事論について少しでも書かれていたら、満点でしたのに。
推奨度
★★★★
見出し
18世紀のドイツ フリードリヒという人 フリードリヒの生涯 父とその教育 父と子 「兵隊王」の父 皇帝カルル六世とその政策
新興プロイセン王国 スペイン継承戦争と北方戦争 プラグマティック-サンクション マリア=テレジア マリア=テレジアという女性
試練のとき 結婚の問題 逃亡と処罰 新生活 父との和解 不幸な結婚 連隊長 ラインスベルクの躍動 ヴォルテールとの出会い
即位 父王の死と即位 即位前の著述 即位直後の行動 君主の決意 フリードリヒの戦争目的 シュレージェン侵略のねらい
姉ウィルヘルミーネ 当時の戦争の特色 シュレージェン戦争 モルヴィッツの会戦 クライン-シュネレンドルフの協定 メーレンへの侵入
第二次シュレージェン戦争 1744〜1745の戦況 七年戦争 開戦前の国際情勢 開戦 ザクセン占領 プラハの会戦 コリンの敗戦
敗戦後のフリードリヒ ザクセンへ後退 ロスバハ会戦の勝利 ロイテンの会戦 ロシアに対する態度 ツォルンドルフの戦い
ホッホキルヒの敗戦 窮境のフリードリヒ フリードリヒの苦境 戦力の強化策 1759年の戦況 クーネルスドルフの敗戦 絶望のフリードリヒ
「ブランデンブルク家の奇跡」 各国の情勢 リークニッツの会戦 トルガウの会戦 ブンツェルヴィッツの戦い 運命の転換 国際情勢の変化
ロシアの脱落 ブルケルスドルフの戦い フベルトゥスブルクの和約 戦後のフリードリヒ 七年戦争の意義 平和時代の内政
歴史家フリードリヒ 君主の任務 王室について 「国家の第一の下僕」 専制政治 司法改革 刑法の改革 死刑の問題 私法の改革
当時の司法の状態 改革の経緯 「司法権の独立」の問題 アルノルト訴訟事件 経済政策 農民保護 重商主義 財政 晩年の対外政策
ポーランド分割 バイエルン継承戦争 マリア=テレジアの死 君侯同盟 終焉 フリードリヒ大王の姿 魅力 フリードリヒ大王とゲーテ
老フリッツ 「デモーニッシュ」 「北極星」フリードリヒ 精神と行動 義務 ヘルダー 「哲学者」フリードリヒ 言語・詩・音楽
フランス文学とドイツ文学 サン-スウシーとシェーンブルン 完全な人間であること カント 教育の原理 道徳とキリスト教 宗教の寛容
若き王子ハインリヒ フリードリヒの喜びと悲しみ 「ハインリヒを悼む」
2004/09/15
『聖書のヒロインたち』 著:生田哲
講談社現代新書 210P
簡単な読み物なのでお勧めですが、ただ確実に著者がキリスト教徒で、
必死に読者に信仰を求めているというのが見え見えだったりするのが何だか気持ち萎えです。
挿絵がポリンキー川合氏で、萌えたり。
推奨度
★★★★
大見出し
エバ─人類史上最高の美女 サラ─ふたつの民族の母 リベカ─家族を崩壊させた偏愛 タマル─罪をも辞さず守った家系
ラハブ─運命を切り開いた売春婦 ルツ─義母にささげた愛と忠誠 ミカル─父と夫に利用されて イゼベル─犬に喰われた悪女
マリヤ─世界史上もっとも愛された女 ヘロデヤ─洗礼者ヨハネを斬首させた妖婦 マグダラのマリヤ─イエス復活の最初の証人
サマリヤの女─罪人を救った「命の水」 ルデヤ─ヨーロッパで最初のキリスト教信者
2004/09/14
『英米哲学入門』 著:セルジュ=ユタン 訳:野沢協
白水社文庫クセジュ 157P
大体日本に於いてはマイナー系になってしまっている、英米哲学。
その入門とはいえ、書かれたのが50年代なので、更にマイナーな現代英米哲学には勿論触れられていません。
ただ、この著でお勧めしたいのが、二点あります。
一つは、ホワイトヘッドが軽く紹介されていること。
入門的に、どんな思想なのか少しだけ触れて火傷してみたい、という人には最適ですね。
もう一つは、我らが(?)エドガー=アラン=ポーが思想家として取り上げられていること。
『黒猫』をより深く楽しみたい方へ、数頁と短いので、お手軽にその部分だけでも是非。
推奨度
★★★★
見出し
イギリス哲学 起源 近代哲学の形成 経験の勝利 ロマン主義からヴィクトリア朝時代へ 現代哲学 新実在論
イギリスのプラグマチズム─起源 論理実証主義 その他の流れ アメリカ哲学 アメリカ・イデオロギーの形成 <超越論>から観念論へ
プラグマチズム 現代実在論 今日のアメリカにおける哲学活動
2004/09/13
『量子力学史』 著:天野清
中央公論社 358P
日本物理学界の古典的名著。
これだけのものを纏め上げた著者が、東京大空襲で亡くなったというのは、大変残念なことです。
というわけで戦前までに書き上げられたものですが、
その時代までの量子力学史は鋭く細やかに著されています。
内容は勿論難解ですが、時代を考えると感服しました。
シュレーディンガー以前に、きっちり量子力学と生物学の関連性を付けているというのも凄まじいものがある。
物理系の人は是非一読を。
推奨度
★★★★★
大見出し
19世紀末におけるドイツ工業の発展と研究期間の増設 19世紀後半における理論物理学の展望 熱輻射の理論的・実験的研究
プランクの量子仮説の提唱 光量子仮説─その応用と批判 実験の技術とボーア以前の原子物理学
ボーアの原子構造論への理論的道程 過渡期の量子論I─対応原理を中心として 過渡期の量子論II─光量子論をめぐる研究
量子力学の発端 波動力学の誕生と発展 波動函数の物理的意味に関する初期の解釈 変数理論より不確定性原理へ
ハイゼンベルク思考実験の批評 不確定関係の分析と批判 量子力学における物理的量の状態の概念 観測と統計
相反補足性Komplementaritaet 相反補足性の概念 相互排他的補足性─(統計力学と熱力学の関係)
総体論的量子力学と量子電磁力学 批判と反批判 核物理学における2、3の問題 他の学問領域との交渉
2004/09/12
『解析の表現したもの』 著:青本和彦+志賀浩二
日本評論社 140P
対話・20世紀数学の飛翔。
例によってまた90パーセント程は理解不可能な域ですが、残りの10パーセントで得るものは甚大なものですよ。
例えば、こんなことを言っていた、と紹介する節があります。
イスラエルに呼ばれた日本人数学者が言われたことで、要約すると、
「ユダヤ人は数学の民族だ。日本人は経済の民族だと思っていたが、数学に特化した人もいるのだね」
社会学の本を読んだところで、「ユダヤ人は数学の民族」などというフレーズは登場しません。
これは、著者たる社会学者がそういう視点に立たないからというのもありますし、
そもそも全体的な潮流として自分の枠内での仕事しかしないものです。
そもそも自分の分野の本ですら読まない人が多々だったりします。
何故かと云えば、曰く忙しいから、だそうですが。
しかし家に帰ればプロ野球を見てたりするものなのでしょうね。
特定の個人を指しているわけでもないのであしからず、一般論的憶測です。
推奨度
★★★★
大見出し
アルゴリズムについて 表現ということ ヘルマン・ワイル 有限次元から無限次元の表現へ 表現論と物理
関数表現─数学の立場と物理の立場 アダマールの数学 シンギュラリティ(特異点) 人と数学 ディスクリート(離散的)な世界
二つの半世紀 数学のなかに隠されているもの 日本的なもの ユダヤの数学 ウラムの思想 数学のめざすもの
大学における数学教育 バナッハの立場 積分のもつ表現力
2004/09/11
『プリゴジンの考えてきたこと』 著:北原和夫
岩波科学ライブラリー 111P
くはぁっ、入門なのに難しいですよプリゴジン先生。
元が哲学・歴史系の方で、時間の本質を根本的問に据えています。
稚拙な理解ながら、散逸構造論は非常に優れたもので感嘆しました、
彼がいなければ複雑系研究はどれくらい遅れたことでしょう。
去年お亡くなりになりました、黙祷です。
推奨度
★★★★
大見出し
ヨーロッパ文化との出会い ブリュッセル学派への憧れ ブリュッセル自由大学 プリゴジンのブリュッセル学生時代 相関のダイナミクス
散逸構造論 まとめとして─時間の矢と確率的世界観
2004/09/10
『ゲーデルの謎を解く』 著:林晋
岩波科学ライブラリー 118P
私でも分かるくらいに簡易な不完全性定理入門。
多分これより薄くて分かりやすい入門書は無いかと思います。
ヒネクレ機械という例が秀逸で面白いです。
推奨度
★★★★
大見出し
ひかえめな登場 数学の矛盾 ヒルベルト立ち上がる 自己否定の数理 不完全性定理 対角線上の悪魔
2004/09/09
『メノン』 著:プラトン 訳:藤沢令夫
岩波文庫 166P
偶に読みたくなるプラトン、徳についての対話篇。
イデア論の萌芽が見られますね。
やっぱり読みやすいので、下手な小説読むよりはプラトン対話篇を。
推奨度
★★★★
2004/09/08
『90分でわかるロック』 著:ポール=ストラザーン 訳:浅見昇吾
青山出版社 123P
in 90 minutes。
相変わらず面白い語り口のストラザーンの著。
ロックは哲学者としてより政治学者として紹介されてしまう場合が多いのではないでしょうか。
民主主義と結び付けられ当たり前のことのように思われてしまうので、
ロック入門というのは他の彼並みに著名な哲学者に比べれば数少ないですよね。
それにしても、ここまで女好きだとは流石に知りませんでした。
推奨度
★★★★
2004/09/08
『数学者の視点』 著:深谷賢治
岩波科学ライブラリー 117P
気楽に読める数学者のエッセイ集。
もう9年前にもなるので、コンピューターに関する実態なんかはえらく変わってしまったとは思いますが、
それでも、一般的に変人集団と思われている数学者はどういう視座にあるのか、
ということが少しは分かるようになると思われます。
勿論これは、森の中の一本の木なんですけどね。
推奨度
★★★★
大見出し
見えないものを見るために ピカソ美術館で考えたこと クッキングコース 遥かなるブルバキズム 評価は客観的であってはならない
数学の難しさ 高慢と偏見 ダーティー数学 無限への憧憬 ヒルベルトとユークリッド 日本人は損をしているか
問題を解くこと、そして作ること