読書記録

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2004/10/20

『新版 元素の小辞典』 著:高木仁三郎

岩波ジュニア新書 219P

ジュニア新書と侮る勿れ。

背面キャッチコピーの「読む辞典の決定版」というのは虚偽の謳い文句などではなく、確かです。

普通に読み物として面白いです。

知らない元素が結構あったもんですよ。

推奨度

★★★★

 

2004/10/18

『ハイデガーの思想』 著:木田元

岩波新書 240P

もっと早く触れておけば良かったと少し後悔。

高校の時分に読んでおくべきでした、ハイデガーについての理解が全然足りていなかったと痛感。

やっぱり単に嫌いだからじゃ避けて通れませんよねハイデガーは。

というわけで、ハイデガー入門の決定書。

多分、世界でも有数に優れたハイデガー入門書でしょう。

木田元御大は流石でした。

推奨度

★★★★★

大見出し

一つの肖像 二人のユダヤ人 「ハイデガー論争」 私のハイデガー体験 思想の形成 フライブルク修業時代 マールブルク時代

神学と哲学のはざまで 『存在と時間』 壮大な断片 『存在と時間』の構成 『存在と時間』成立の事情─『ナトルプ報告』と『存在と時間』

存在への問い 「存在とは何か」 存在了解 時間と存在 現象学と存在論 時間と存在 現象学と存在論 ハイデガーの哲学史観

哲学史家としてのハイデガー 伝統的存在論の解体 『現象学の根本問題』 カントの存在概念 本質存在と事実存在

<存在=被製作性>という存在概念 ハイデガーとニーチェ 『存在と時間』の挫折 『存在と時間』第一部の構想

文化の転回の企てとその挫折 形而上学の克服 <哲学>とそれに先立つ<もっと偉大な思索> <ピュシス>についての思索

形而上学の成立 プラトンとアリストテレス ニーチェによる形而上学克服の試み ハイデガーとナチズム 後期の思索─言語論と芸術論

『ヒューマニズム書簡』─後期の言語論 詩人たち 「芸術作品の起源」 描き残したこと 哲学の運命 晩年

 

2004/10/16

『猿飛佐助からハイデガーへ』 著:木田元

岩波書店 216P

グーテンベルクの森シリーズ。

著者の読書体験を中心にした自伝的著作。

木田元氏に対して何がこう惹き付けられるのかという理由が垣間見えた気がした。

見解が似ている、趣味が似ている、これに尽きます。

根が悪戯小僧、キェルケゴール論、ドストエフスキー論、読書論、学問論、学者論、

ミステリ好き、山田風太郎好き、等々他多数。

それにしても以下の引用文は目から鱗。

何とも言い得て妙、自分の云おうとしていたことが、こんな簡単な単語で表せたとは、と驚くばかり。

「私は哲学を幾何学で言われる、補助線のようなものではないかと思っている。

補助線は与えられた図形にのうちに現実に存在するわけではなく虚構的なものであるが、

それが引かれることによって、その図形の隠された構造が浮かびあがってくる。

哲学も、同じような意味で世界や社会や歴史の外に引かれる補助線のようなものではないのか、と。

それはともかく、哲学にかぎらずほかの学問でも、

一つの問題に取り組んでそれを読み解く道筋には謎解きのようなところがあるのではなかろうか。

せいぜいミステリを読んで推理力を鍛えておくと案外役に立つかもしれないよ」

推奨度

★★★★★

大見出し

『神州天馬侠』 「俳文俳句集」 「四人共産団」 『無常といふこと』 『悪霊』 『存在と時間』 『行動の構造』

『アブサロム・アブサロム』 『警視庁草子』

 

2004/10/15

『最終講義』 著:木田元

作品社 150P

目次を開いてビックリ。

マッハ論が載っているーッ!

下のマッハ論は非売品です、読むならこちらで。

最終講義の内容は、木田氏の軽い遍歴と既存のハイデガー観を打破するもの。

『存在と時間』の本当の読み方、前期後期ハイデガー分割の誤謬、など。

非常に分かり易く取っ付きやすいので、入門書として最適なのでは。

推奨度

★★★★

大見出し

最終講義『ハイデガーを読む』 哲学と文学─エルンスト・マッハをめぐって

 

2004/10/15

『哲学と文学 エルンスト・マッハをめぐって』 著:木田元

中央大学人文科学研究所 52P

20世紀哲学に最も影響を与えていたのはマッハである、と主張している冊子。

私もこれについてはシュレーディンガー調べた辺りで思っていました。

マッハとニーチェ、レーニン、ヴィトゲンシュタイン、ゲシュタルト心理学、ヴァレリーらの文学等々と、

色々言及しています。

が、そのシュレーディンガーへの言及が一つも無くて残念。

やはり哲学史としてシュレーディンガーは全く頭の片隅にすら無いのですね。

推奨度

★★★★

 

2004/10/14

『ヨーロッパの傭兵』 著:鈴木直志

山川出版社世界史リブレット 90P

今一番お世話になっているセンセーの本を今更読んでみる。

もっと早く読んでおけば良かったと後悔。

軍隊社会史研究をやっている稀少な方です。

結構目から鱗的なところが多いと思うので、表の政治史しか知らない人などに特にお勧めです。

推奨度

★★★★

大見出し

歴史学の一分野としての軍事史 三十年戦争時代の傭兵軍 傭兵たちの生活世界 常備軍の時代

 

2004/10/14

『ルネサンス文化と科学』 著:澤井繁男

山川出版社世界史リブレット 90P

密かに敬愛する澤井先生の薄目の本。

特に要点が絞れていて簡易なので、入門の入門といった感じでしょうか。

読書慣れしていない人にもお勧め。

精通している人には物足りないことでしょう。

推奨度

★★★★

大見出し

コスモロジーの探求 個の覚醒─中世からルネサンスへ 私のコスモロジー 自然のコスモロジー 知と生活

 

2004/10/13

『科学者と世界平和』 著:アルバート=アインシュタイン他 訳:井上健

中公文庫BIBLIO20世紀 133P

ソ連科学者勢からの批判が少し載っているだけで、ほぼ全部アインシュタイン著。

前半は社会学、後半は物理学について。

両方とも、アインシュタイン大好きという人や研究者でなければ、

別段新しい革新的なことを述べているわけでもないのでそんなにお勧めはしませんが、悪くもありません。

後半では、ヘルムホルツあたりかの物理学を概観して、量子力学を非難しています。

が、ここに書かれているくらいのことではそうそう説得力はありません。

いや私もアインシュタインは好きですが。

推奨度

★★★

見出し

科学者と世界平和 国連総会への公開状 アインシュタイン博士の考えの誤り ソビエトの科学者たちへの返事 物理学と実在

科学の方法についての一般的考察 力学とすべての物理学を力学によって基礎づけるいくつかの試み 場の概念 相対性の理論

量子論と物理学の基礎 相対性理論と粒子

 

2004/10/12

『ハプスブルクをつくった男』 著:菊池良生

講談社現代新書 234P

笑った。

一般的に云ってハプスブルク家が知られ始めるのは、大体マクシミリアン1世からでしょうか。

そしてカール5世、オーストリアの方ではフェルディナント1世にスペインではフェリペ2世、と続いていくわけですが、

その頃にはもう既に押しも押されぬヨーロッパ随一の名家となっていますね。

では、そのハプスブルク勃興はどこからなのか、また、要因は何か、というのを描き出したのが本著。

結婚政策と一般的に云われていますが、精神面でいうなれば、著者一押しの稀代の王ルドルフ4世の施策です。

やっていることが本当に無茶苦茶で、しかもそれが効果的に功を奏しているから恐ろしい。

一例を出してみるなら、ハプスブルク家がオーストリアで最有力だという証明に、

ユリウス=シーザーとネロ帝が書いたとする偽書を持ち出す。

正気の沙汰とは思えませんが、某金印勅書で有名なカール4世がこれを認めてしまう。

これは中世ヨーロッパの歴史観が絡んでくる問題なのですが、そんなこんなで色々と面白いですよ。

真面目に構えて読んではいけません、気軽に。

推奨度

★★★★

大見出し

ハプスブルク家 ルクセンブルク家、ヴィッテルスバッハ家の三つ巴 オーストリア「国家」創始者アルブレヒト賢公 リアリスト皇帝カール4世

青年君主ルドルフ シュテファン大寺院とウィーン大学 チロル詐取 金印勅書 偽書快走 ハプスブルク神話

 

2004/10/11

『現代哲学の岐路 理性の運命』 著:生松敬三/木田元

講談社学術文庫 270P

彼らがいたら、私は哲学科に行っていたかもしれません。

いや木田元氏については正直もっと見直さねばと思いました、十分評価しているつもりでしたが、

近いうちに氏の本を色々手に取ってみよう。

先日書いたニーチェについての私見、あれが見事に木田氏のものと合致していて嬉しや。

昔私が何処かで囓ったのを覚えていただけだったのかもしれませんが。

とても私が生まれるより更に前に書かれたものとは思えません、現在読んでも十二分に通ずる。

それだけ、哲学が停滞し続けているだけなのかもしれませんが。

現在は、ここで書かれた岐路とは別種の岐路が存在すると思います。

即ち、哲学がこのまま瀕死を演じ続けるのか、見事立ち直るのか。

デリダが亡くなり、その様相が更に深まりました。

三十年近く前に書かれたものですが、対談ですし入門者も読みやすく、今一度哲学を見直してみては如何でしょう。

取り敢えず、改めて生松氏には黙祷。

推奨度

★★★★★

見出し

予言された時代 サルトルの声明 変わる思想界の構図 無思想の時代 よみがえるニーチェ像 哲学史の書きかえ

技術化された理性─ニーチェの時代背景 砂漠の時代 ポジティヴィズム 自立する個別科学 底流としてのロマン主義

ニーチェへの系譜 ヨーロッパのニヒリズム 近代理性─その展開と袋小路 神と人間と理性 デカルトの出発 啓蒙─神学からの離脱

イギリスとフランス カントの役割 ドイツ観念論とロマン主義 ヘーゲルとヘーゲル批判 根源的自然の回復 自然の問題

ニヒリズムはどこから ギリシア世界の明暗 ニーチェのキー・ワード 「古層」としての自然観 プラトンとアリストテレス

新プラトン主義の伏流 近代哲学史の裏街道 ドイツ・ロマン主義 現代思想の淵─さまざまの試み 世紀転換期 科学の危機

実証主義への反逆 心理学の革新 フロイトの発想 社会科学の方法 現象学の登場 ワイマールの文化的活力 哲学的人間学

『存在と時間』の位置 フッサールとハイデガー 舞台はフランスへ ヴィトゲンシュタイン プラグマティズム

理性の運命─否定の力としての理性 冷戦期の思想 存在の二義性 人間主義か構造主義か 回復さるべきもの