読書記録
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2004/12/29
『座右のゲーテ 壁に突き当たったとき開く本』 著:齋藤孝
2004 光文社新書 218P
私が一番好きな作家は誰かと問われたら、迷うことなく答えとして出るのがゲーテです。
作品そのものだけに限らず、彼の考え方、行動、能力、一切に於いて敬意の対象となります。
勿論、全てが全て彼の考え方に賛同というわけでもなく、本書で述べられているゲーテの言葉と、
相反するものも結構私は持っていますが、一方でそれを肯定している自分もいる。
8割否定2割賛同、といったような感じで。
私がゲーテと出逢ったのはもうかなり遅くて、高校生になってからだったのですが、
ここまで自分に息のぴったり合う作家がいたものかと、心底吃驚仰天したものです。
今年最後の読書に相応しかったなぁ、というしみじみした想い。
全く壁にぶつかっている感じではないのですが、
そんな突き抜けた気持ちの時に読んでも、本書は心地よいものだと思います。
推奨度
★★★★★
見出し
集中する 小さな対象だけを扱う 自分を限定する 実際に応用したものしか残らない 日付を書いておく 完成まで胸にしまっておく
実際的に考える 吸収する 最高を知る 独創性などない 独学は非難すべきもの 自分だけの師匠を持つ 「素材探し」を習慣化する
使い尽くせない資本をつくる 出合う 愛するものからだけ学ぶ 豊かなものとの距離 同時代、同業の人から学ぶ必要はない
性に合わない人ともつきあう 読書は新しい知人を得るに等しい 癖を尊重せよ 持続させる 先立つものは金 儀式の効用
当たったら続ける 他人の評価を気にしない 異質なものを呑み込む 邪魔の効用 燃焼する 現在というものに一切を賭ける
計り知れないものが面白い 感情を生き生きと羽ばたかせよ 詩的に考える 過去に執着しない 青春のあやまちを老年に持ち込むな
年をとったら、より多くのことをする
2004/12/28
『ドイツ人のバカ笑い─ジョークでたどる現代史』
編:D・トーマ/M・レンツ/C・ハウランド 訳:西川賢一
2004 集英社新書 205P
年末ですしこういう本を読んでもいいぢゃないですか、ということで。
いやぁ、バカです、とってもバカ、大体がニヤニヤして読めます。
逆をいえば、大体が日本人にはバカ笑いできないものなのですが、個人的大ヒットも幾つかありました。
現代史の本と思ってはいけません、フツーにおバカな本です。
年末年始のネタとして、酒の肴に使えるやもしれませんよ。
推奨度
★★★★
2004/12/27
『南アジア』 著:辛島昇
1992 朝日新聞社 271P
地域からの世界史シリーズ。
現在日本でインド史の第一人者といったら、この著者です、十年以上前に書かれたものですが、
それだけあってしっかりして安心して読めます。
というか、この十年は、専門家による見解と説が増えるだけの発見ばかりで、
こういった概説書に影響を与える程の大発見が無いのですよね。
インドといえば、大抵高校でやるような世界史では北インドしかやらず、
大抵南インドで出てくるのはヴィジャヤナガルが名前だけ、といった感じが実状でしょう。
故に、南インドのところだけ掻い摘んで読むのもアリでしょう。
私としては、ヴィジャヤナガルは王国というより帝国だと思っていますが。
推奨度
★★★★
大見出し
南アジア史の流れ インダス都市の繁栄 アーリヤ人の来住と新文明の展開 マウリヤ朝の繁栄 クシャーナ朝支配と国際商業
ヒンドゥー教的秩序の形成 グプタ朝の支配と古典文化の完成 ハルシャの帝国と小国分立 王朝の転変とタントリズム
ガズナ朝の侵入とチョーラ朝の発展 めまぐるしい王朝交代劇 ムスリムのインド支配 デリー・スルタン朝の地方攻略
イスラーム教の浸透 ムガル朝とヴィジャヤナガル王国 アクバル大帝の支配 アクバル大帝の支配 ムガル朝の繁栄
ムガル朝最後の栄光 帝国の瓦解 イギリスのインド支配始まる イギリスによる支配と収奪 進むイギリスのインド統治
イギリス支配を揺るがす大反乱 知識人階層の成長 ガンディーの登場 インド、パキスタンの分離独立 噴出する植民地支配からの矛盾
2004/12/26
『ルネサンス思想の旅 美しい世界と人の探求』 著:酒井紀幸
2003 早稲田大学 113P
全体としてどういう風にまとめて評したらいいのやら微妙な一冊。
章によって面白味と難易度の落差が激しく、個人的にはアウグスティヌスとフィチーノの章はお奨めできません。
クザーヌスとピーコの章だけ掻い摘んで読むのも、プロティノスのところだけ読むのもよいでしょう。
私としてはやっぱり敬愛する澤井繁男氏のものをお奨めしたいところですが、図版が多いということで★一個追加。
推奨度
★★★★
見出し
ニコラウス・クザーヌス 思想的モチーフ 抱擁の体験 コンスタンティノープルに至るまで 知ある無知 クザーヌス思想の出発点として
知あるものとなるための無知の自覚 真理そのものへ近付くために 「欠如的に無限」な宇宙 キリスト教的な「美」の一位相
源泉としてのアウグスティヌス 中世における美 高みへの思惟 アウグスティヌスの『告白』 被造物としての存在者 移ろいゆくものの形
生きることの不安 作品としての世界 美と創造 根源そのものを問うには 形の美と無形の美 根源への登高 存在認識としての観照
美と人間精神の完成 マルシリオ・フィチーノ エロースと美について 生涯とその著作 『愛について』 飾りとしての世界 キリスト教の神
美の楽しみ 善の輝きとしての美 神への上昇 敬虔なる信仰(pietas) ピーコ・デッラ・ミランドラ 人間の拡がりを求めて ピーコの生涯
『人間の尊前について』 大いなる奇跡としての人間 何にでもなることのできる人間 協和の思想 プロティノス『エネアデス』
一冊の書物から見たルネサンス 源泉としての『エネアデス』 フィチーノとピーコの『エネアデス』をめぐる出会い 時代的背景
プロティノス『エネアデス』と新プラトン主義 影響
2004/12/25
『ヒンドゥー教とインド社会』 著:山下博司
1997 山川出版社世界史リブレット 90P
ヒンドゥー教というか、インド思想全般の概説のような感じです。
あまりインド社会の概観などはしていなく、タイトルとは合っていません。
ですがインド思想の手軽な入門としては、高校生くらいにはほどよいものかと思います。
推奨度
★★★★
大見出し
インド─その多様性と現代的意義 古典文化の形成とカースト制度 バクティの興起とヒンドゥー思想の展開 近代ヨーロッパと「インド」
インドの近代化とヒンドゥー教改革運動