読書記録
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2005/08/19
『歴史の作法 人間・社会・国家』 著:山内昌之
2003 文春新書 262P
慈円やら荻生徂徠やら新井白石やら内藤湖南やら吉田松陰やらその他大勢日本人も登場し、
著者の見識の広さが窺い知れます。
特に著者は『史記』が座右の書で(他で聞いたんですが、そうだったと思います)
そのために司馬遷を高く評価、推していますね。
司馬遷と、イブン=ハルドゥーンという、二大古典歴史学者の二刀流を基本技として、
現代歴史学の輪郭を浮きぼらせ、限界の突破口を開かんというその姿勢に乾杯。
「歴史とは混淆性や全体性において成り立つものであり、
そこに含まれる多元的要素については物質の「分子」を扱うように慎重に個別解析すると同時に、
全体模型を俯瞰する視点を併せもつ必要があるのです」
推奨度
★★★★★
大見出し
こだわりと疑念─なぜ歴史を考えるのか 天道、是か非か─歴史のメッセージ ヒストリーとストーリー─科学と文学の間
危機における歴史─歴史家の使命 広がる歴史─文明の接触と衝突 世界史と日本史の出会い─構造の転換
リアリズムと理想主義─現代歴史学の志
2005/08/18
『新装版 お嬢さまことば速習講座』 監修:加藤ゑみ子
2000 ディスカヴァー21 152P
気になったので手に取ってみました。
なるほどそうだったのか、とカルチャーショック。
見出しをサラリと見るだけでも、結構へぇ、と思うことかと。
お嬢様キャラなんて書かないとは思いますが、書くときには本書の影響を受けていることでしょうねぇ……。
推奨度
★★★★
見出し
お嬢さまことば速習十五条 「恐れ入ります」の法 「すみません」の禁 「わたくし」と「さま」の掟 「ことのて」の結び 緩慢の術
「存じます」の法 「さようでございますか」の法と「ええ、ええ」の禁 省略の禁 「おご」の冠 親しき仲にも敬語づかい
「ごきげんよう」と「あそばせ」の愉しみ 沈黙とほほえみの術 丁寧な肯定と曖昧な否定の術 大げさな誉めことばと婉曲的なけなしの術
御所ことばを楽しむの術 実践の心得 お嬢さまことば小辞典 気品の定義
2005/08/17
『ガルブレイス 制度的真実への挑戦』 著:根井雅弘
1995 丸善ライブラリー 204P
本当に多産な著者で。
ガルブレイスの自意識過剰っぷりな文章が鼻につく、と著者は云っていますが、
むしろそんな風に思ってしまうのが著者の自意識過剰なのでは、と勘繰ってしまいましたり。
そんなに気にならない名文書きだと思いますが。
というわけで、批判的な眼差しを基本にしているのですが、それでも称賛がたんまり出てきます。
ガルブレイスが異端だということを知るためには、正統を知っておかねばならないということで、
ガルブレイス以外の解説も結構出てきます。
そんなわけで、普通に現代経済学史の入門としても使えます。
推奨度
★★★★
見出し
価格皇帝見習ガルブレイス ケインズ経済学のアメリカ上陸 価格統制をめぐって アメリカ資本主義への関心 異端の経済学
正統と異端 依存効果と社会的アンバランス ケネディ政権の内と外 大企業体制の光と影 「テクノストラクチャー」の台頭
「新しい産業国家」論争 計画化体制と市場体制 リベラリズムと批判精神 保守主義の復活に抗して 「満足の文化」への警告
経済学史の中のガルブレイス
2005/08/16
『現代経済学への招待』 著:根井雅弘
1994 丸善ライブラリー 203P
著者の根井氏は若いのに多産で有望ですね。
現代経済学の礎を築いた6人の経済学者の簡単な紹介。
簡単といっても、経済理論を理解するのはなかなかに骨が折れます。
というか、今の私には骨折っても理解できてないです。
ただ、ヴェブレンの有閑階級はかなり歴史学の方でも有効な概念装置ではないかと思い、
ヴェブレン-ガルブレイスという系図を中心に経済思想を少しずつ学んでいこうとイイ指針になりました。
推奨度
★★★★
見出し
近代経済学の誕生─A・マーシャル マーシャル小伝 需要と供給のシンメトリー 有機的成長の理論 ケンブリッジ学派の形成
経済学と人間 正統派経済学への挑戦─T・ヴェブレン ヴェブレン小伝 『有閑階級の理論』 『営利企業の理論』
ヴェブレンから現代経済学へ 貨幣的経済理論の革新─K・ヴィクセル ヴィクセル小伝 貨幣利子率と自然利子率
ヴィクセルからケインズへ 有効需要の原理の確立─J・M・ケインズ ケインズ小伝 乗数理論と流動性選好説 ケインズ体系の解明
ケインズからケインジアンへ 創造的破壊の世界─J・A・シュンペーター シュンペーター小伝 『経済発展の理論』 マーシャル批判
資本主義衰退論 経済学と社会学の間 古典派アプローチの再生─P・スラッファ スラッファ小伝 マーシャル批判の衝撃
『商品による商品の生産』 ケインズとスラッファ
2005/08/14
『フランス語の綴りの読みかた 正しい発音の出発点』 著:稲田春年
1999 第三書房 121P
フランス語の何がツライかって、やっぱり綴りの読み方。
まさか、それ専門の入門書が出ているとは思いませんでした。
音読しながら読み通しましたが、結構身に付いてきます。
推奨度
★★★★★
2005/08/13
『偉人と語るふしぎの化学史』 著:松本泉
2005 講談社ブルーバックス 254P
何故か挿絵に萌え絵。
萌え単(もえたん)ならぬ、萌え化(もえばけ)?
いや、何とも語呂が悪い。
しかしそんなに世間一般の意味でいうような萌え系の絵柄でもないですが。
萌え絵はさておき、対話形式なので無難に面白く読めます。
なかなかエキセントリックに戯画化された性格で、それがまた笑いを誘います。
最初のギリシアのところは、思いっきり哲学的でもありますね。
第二章ではラヴォアジエを中心に、第三章ではドルトンとアヴォガドロを中心に、進んでいきます。
推奨度
★★★★★
大見出し
万物の源はなにか? 燃焼とはいかなる現象か? 原子は確かにある!
2005/08/12
『悪意なき欺瞞 誰も語らなかった経済の真相』 著:ジョン・K・ガルブレイス 訳:佐和隆光
2004 ダイヤモンド社 141P
ガルブレイスの著書はユーモアたっぷりで皮肉が小気味よく好感触。
まぁ、合わない人もいるでしょうが。
保守的な人とか。
ガルブレイスは徹底して人類の未来に希望を見出そうとする積極的な思想家ですね。
この本を書いた時が96歳。
素晴らしい精神です。
「本書で明らかにされたことは、たった一つしかない。
それは、企業と企業経営者が現代経済社会を統治しているという現実についてである」
推奨度
★★★★
大見出し
「悪意なき欺瞞」とは何か 「資本主義」という死語 市場における本当の主役 「労働」をめぐるパラドックス 企業を支配する「官僚主義」
「株主主権」という虚構 「官と民」という神話 幻想が支配する金融の世界 「中央銀行制度」という現実逃避 企業経営者の許されざる罪
外交と軍事の民営化 現代経済社会の真相
2005/08/11
『わたしもファラデー』 著:板倉聖宣
2003 仮説社 187P
教育学の講義などでも名前の挙がるとても著名なお人。
微妙に対話形式が入ってきたりしつつ、ファラデーの生涯と実験が追体験的に記されています。
この本を手にとった目的の大部である、
統一場理論やそのあたりの考え方については一切触れられていませんでしたし、内容的にも薄いことは確かですが、
そもそも対象が高校生ですし、それでもファラデーのことについて気軽に知ることができたので十二分でしょう。
推奨度
★★★★
大見出し
ファラデーの生い立ち 新元素<ヨウ素>の発見に立ち会う 安全ランプの発明 磁力線のすばらしさの発見 電磁気の感応現象の追求
半導体物質の発見 磁石を近づけると逃げる物質の発見
2005/08/10
『女性画家列伝』 著:若桑みどり
1985 岩波新書 200P
後書きが兼小論になっていて、女性画家史が書かれています。
著者の自慢気で私の評論は絶対といった感じの語り口が少々気にななりますが、
それに目を瞑れば素晴らしい良著。
いやぁ、日本の女性画家も凄いですね、一気に興味津々になりました。
フィニについては、うーん、どうなんでしょうね、まだフィニ存命中だから、
客観的に見ることができていないような気がしないでもないです。
それと、長い後書きに書かれているこの一文は、凡百のジェンダー論者に突き付けてあげたくなります。
「ただ、私の考えつく理由の一つは、
たとえ女性がどのような差別と偏見によって苦しめられてきたことを知っているにもせよ、
私はただの一度も男性を仇敵と考えたことはなく、今も考えていない、
私の敵とするのは、「偏見」そのものであって、人間ではないのだ、ということであり、
私がいかに女性の苦痛を語るとしても、
私の基本的態度は、非難することにあるのではなく、改善し、希望することにある、ということである」
推奨度
★★★★
大見出し
底辺の人間性─シュザンヌ・ヴァラドン 「ユーディット」に自画像をみた女─アルテミジア・ジェンティレスキ
ヴェルサイユのバラ─エリザベート・ヴィジェ・ルブラン 18世紀版“サクセス・ストーリー”─アンゲリカ・カウフマン
暗黒をみつめる光輝く「眼」─ケーテ・コルヴィッツ 雪の中の女─上村松園 イタリアに咲いた蓮の花─ラグーザ・玉
大いなる無名者の芸術─山下りん 野獣のいない美女─マリー・ローランサン 終りを見た女─レオノール・フィニ
「東」と「西」のあいだに─ナターリャ・ゴンチャローヴァ 永遠の相のもとに─多田美波・若桑みどり
女性はどのようにして芸術家になったか
2005/08/09
『ガルブレイス わが人生を語る』 著:J・K・ガルブレイス 訳:実哲也
2004 日本経済新聞社 179P
ノーベル賞受賞をしていないにもかかわらず、
そんじょそこらのノーベル賞受賞経済学者なんかじゃ足下にも及ばないような偉大な経済学者。
とても知的でユーモアセンスに溢れていて面白い簡易自伝です。
読めばガルブレイスのことが好きになること間違い無しでしょう。
2005年で97歳を迎えていても、まだまだお元気。
20世紀をほとんどまるまる生きた数少ない人なので、その眼を通して歴史の節目節目を見ることができます。
二次大戦中のアメリカ経済といえば、軍需特産で潤っていたのかなくらいにしか思っていませんでしたが、
かなり裏で価格統制などで必死だったのですね、目から鱗。
レヴィ=ストロースも、こういう風に自伝でも書いてくれればいいですのに、彼はもう厳しいでしょうか……。
推奨度
★★★★
大見出し
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