読書記録
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2005/09/10
『自然科学の名著100選 下』 編:田中実/今野武雄/山崎俊雄
1990 新日本新書 196P
原著は1978年刊。
レーニンがめちゃくちゃ持ち上げられていて、彼の批判したマッハ哲学が思いっきり扱き下ろされています。
ちょっともう見ていられないくらいにヨイショしまくり、っていうか何でレーニンのコレなんか入れてんのさ、
と問いたいくらい。
まぁ、こういう数が限定されたものでは、
アレが入ってないだコレが入ってるだという批判は無為だから本当はしたくないんですが、
レーニン入れるならイヴン=シーナー入れるなり、
シュレーディンガーやハイゼンベルク入れるなりした方がイイと思いますよ。
不満大でしたが、あぁ、そういう時代だったんだなぁ、としみじみ思いました。
推奨度
★★★★
31選
『交流現象の理論と計算』スタインメッツ 『昆虫記』ファーブル 『水溶液中における諸物質の解離』アレニウス
『数とは何か、何であるべきか』デデキント 『力学の発展─歴史的・批判的考察』マッハ 『気体運動論講義』ボルツマン
『気体中の電気伝導』J・J・トムソン 『幾何学の基礎』ヒルベルト 『放射性物質の研究』マリー・キュリー
『運動物体の電気力学』アインシュタイン 『熱輻射論講義』プランク 『条件反射についての講義』パブロフ
『唯物論と経験批判論』レーニン 『精神分析』フロイト 『科学的管理法の原理』テーラー 『原子』ペラン
『大陸と大洋の起源』ウェーゲナー 『X線と結晶構造』ブラッグ 『スペクトルと原子構造の理論』ボーア 『栄養雑種』ミチューリン
『化学工学の原理』ウォーカー/リュイス/マクアダムス 『研究者のための統計的方法』フィッシャー 『遺伝子説』モーガン
『新しい型の放射能』ジョリオ・キュリー/イレーヌ・キュリー 『量子力学原理』ディラック 『星雲の領域』ハッブル 『生命の起源』オパーリン
『化学結合論』ポーリング 『サイバネティックス』ウィーナー 『歴史における科学』バナール 『核酸の分子構造』ワトソン/クリック
2005/09/09
『自然科学の名著100選 中』 編:田中実/今野武雄/山崎俊雄
1990 新日本新書 196P
原著は1978年刊。
日本がやけに多いなという印象。
まぁ、恥ずかしながら日本のこのあたりの著書に関して無学なもので、参考にはなります。
締めはカントールですが、カントールの集合論って今でも変わらず重要で、
その分野に関しては何かあんまり進んでいないような気がしてなりませんでした、
とか云うと詳しい人に反論くらいそうですが。
推奨度
★★★★
35選
『テヒノロギー入門』ベックマン 『化学要論』ラヴォアジエ 『地球の理論』ハットン 『画法幾何学』モンジュ 『化学の新体系』ドールトン
『確率の解析的理論』ラプラス 『地質学原理』ライエル 『発微算法』関孝和 『大和本草』貝原益軒 『和漢三才図会』寺島良安
『蔵志』山脇東洋 『解体新書』杉田玄白 『暦象新書』志築忠雄 『全日本沿海輿地全図』伊能忠敬 『植学啓原』宇田川榕菴
『舎密開宗』宇田川榕菴 『氣海觀瀾廣義』川本幸民 『合理的農業の基礎』テア 『友人シュヴァリエ宛の遺書』ガロア
『幾何学の新原理並びに平行線の完全な理論』ロバチェフスキー 『植物発生論』シュライデン 『農芸化学』リービッヒ
『無生物界の諸力についての考察』マイヤー 『電気の実験的研究』ファラデー 『化合物の構造と変化および炭素の化学的本性』ケクレ
『種の起源』ダーウィン 『汽機学』ランキン 『自然発生説の検討』パストゥール 『実験医学序説』ベルナール
『植物の雑種についての研究』メンデル 『自然の弁証法』エンゲルス 『電気磁気学』マクスウェル 『理論運動学』ルーロー
『集合に関する諸論文』カントール
2005/09/08
『自然科学の名著100選 上』 編:田中実/今野武雄/山崎俊雄
1990 新日本新書 195P
原著は1978年刊。
まとめて上に書いたとおり、アラブ系の著作が抜かされていることに目を瞑れば、
まぁまぁ妥当な選定かなと思いましたり。
ヴィトルヴィウスのことはほとんど知らず、かなり面白いものだと思いました。
建築家に対する要求がものすごく高い水準なのですよ。
推奨度
★★★★
34選
『ヒポクラテス全集』ヒポクラテス 『動物発生論』『自然学』アリストテレス 『原論』ユークリッド 『平面のつりあいについて』アルキメデス
『物の本質について』ルクレティウス 『建築について』ヴィトルヴィウス 『アルマゲスト』プトレマイオス 『九章算術』劉徽
『小寒論』張仲景 『斉民要術』賈思? 『金属貴化秘法大全』ゲーベル 『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』レオナルド・ダ・ヴィンチ
『天球の回転について』コペルニクス 『人体の構造についての七つの本』ヴェサリウス 『デ・レ・メタリカ』アグリコラ 『新天文学』ケプラー
『ニュー・アトランティス』ベーコン 『動物の心臓ならびに血液の運動に関する解剖学的研究』ハーヴェイ
『天文対話』『新科学対話』ガリレイ 『方法序説』デカルト 『真空に関する新実験』パスカル 『医学の興隆』ファン・ヘルモント
『懐疑的な化学者』ボイル 『極大極小のための新しい方法』ライプニッツ 『プリンキピア』ニュートン 『授時暦経』郭守敬
『塵劫記』吉田光由 『天工開物』宋応星 『農政全書』徐光啓 『自伝』フランクリン 『百科全書』ディドロ、ダランベール編
『フロギストンなしの空気、および大気の構成について』プリーストリ
2005/09/07
『ピエロ・デッラ・フランチェスカ アレッツォの壁画』
解説:マイケル・マイケル 監修:嘉門安雄 訳:遠藤みさ
1998 求龍堂 79P
これぞ中世、という画風のフランチェスカ。
誰一人として笑うことなく表情を出さず能面だというのが、かなり怖いモンです。
たまに表情変えてる人がいると思ったら、苦悶。
色遣いは素晴らしいですね、最近はこの彩色使用法に観点が傾いているようですよ。
推奨度
★★★★
2005/09/07
『英文法のからくり 英語表現の意味を「推理」する』 著:武田修一/小原純子
2001 丸善ライブラリー 154P
うーん、まずタイトルが合ってない感が。
英文法のからくり、というと、どうしても構造論の内容だと思ってしまうのですが、
中味は完全な意味論ですし、文法というより語法です。
それと、誤りの例を挙げる際に、どの種の誤りなのかを明記していないことが問題でしょう。
もちろん読めば推測するのは簡単なのですが。
以下私論、一般的にはどうなのか知りません。
誤りというと、大体三種挙げられますね。
単純誤用、構造破綻、意味破綻。
そのうち意味破綻は厳密な誤りと云えるか微妙なのですが……、まぁ、本著では誤りの中に入ってます。
さて、単純誤用、これは明快。
日本語だと「私はバスへ乗る」みたいな助詞の誤用、英語だと前置詞の誤用などですね。
構造破綻っていうのは、統語破綻とも云えますが、英語のような言語だと語順がバラバラになってるようなもの。
日本語だと、ちょっと難しいですが、そうですね、「彼を私に何をか言えません」みたいな感じでしょうか。
上記二つは完全に文法の誤りと云えるのですが、意味破綻はというと……。
「二本脚の人間が四つ足で空を駆け巡る」「宇宙は地球の中にある」「いちたすいちは、さんですよ」
詩的ですらありますよね。
意味はワカランですが。
そんなわけで、ちゃんと区別した方がいいと思うデスヨ。
まぁ、そんなこと気にしないなら、普通に語法の勉強になるんぢゃないでしょうか。
推奨度
★★★
大見出し
英文法は便利な道具 数えられる名詞と数えられない名詞 theのさまざまな用法 名詞と修飾表現 状態動詞と非状態動詞
受動文の意味と用法 副詞の位置が伝える意味 挿入表現の多彩な機能 強調と倒置
2005/09/06
『オルテガ 現代文明論の先駆者』 著:色摩力夫
1988 中公新書 253P
アリアハンのオヤッさんとは違います。
一年以上前からずーっと気になり続けていながらもずーっと触れることのなかったオルテガに、
ようやく手を伸ばしてみました。
105円で売られていたもので即買い。
で、面白いですねオルテガ、最近はすっかりマイナーですが、生前は超人気だったようですね。
ヘルダーとは違って、比較することの重要性をつとに説いています。
特に面白いと思ったところを引っ張っておきましょうか。
「同じ要素が依然として存続しているからと言って、歴史の変動を否定する人がいる。
しかし、歴史の変動とは、個々の要素が魔術のように変化することではない。
全体としての「展望」が変化することである。
それは、信念の体系の構造が変化することである」
推奨度
★★★★
大見出し
オルテガという思想家 危機の時代ルネッサンス 古代の危機 現代の危機 オルテガと政治
2005/09/04
『歴史の進歩とはなにか』 著:市井三郎
1971 岩波新書 218P
ちょっと内容は古いかなー、と思いますが、
しかしでは、21世紀になった今、旧来の進歩史観への見方がどれだけ多角的になされているかとか、
どれだけ科学信仰への見直しがされているかとか、相変わらず問題は続いているわけでして。
そんなわけで、34年前とはいえ、十分に有効な著作です。
ただ、著者はヴィーコに関しては誤解している感があります。
サラッと一行しか出て来なくて見過ごしてしまっているのですが、
どうもボシュエやらの進歩史観と同列的に見ている節が。
それと、これまたヴィーコに並んでハーマンやヘルダーといった反近代主義者が看過されているのも残念。
推奨度
★★★
大見出し
問題はどこに? 進歩史観の源泉─チュルゴやカント 進歩史観の源泉─シャトリュやコンドルセ
進歩思想の類型的整理─マルクスやダーウィン 進歩の規準─バラ色の尺度への懐疑 進歩の規準─ある価値尺度の提案
人間史のパラドックス─根本的な二律背反について 人間史のパラドックス─科学技術と“正義”の逆接 結論─進歩信仰にかわるもの
2005/09/03
『ヨーロッパ「近代」の終焉』 著:山本雅雄
1992 講談社現代新書 254P
とっても複雑な内容詰め込みまくりの本。
多角的に「近代」を考察するとなると、こうならざるを得ないのだなと思ってしまいました。
えー、つまりは、私好みの闇鍋的なものなんですが、内容に関しては見出しの通り、
歴史学あり哲学あり社会学あり人類学あり論理学あり科学論ありと、雑多です。
ごちゃごちゃしたのが好きな人は、是非、面白いと思います。
もちろん、問題提起としての本書の価値は高いものです。
ただ、ヴィーコやハーマンやヘルダーといった反近代主義者が看過されているのが残念。
推奨度
★★★★
見出し
ヨーロッパ「近代」の歴史像 文明史観の偏り 「地理上の発見」 「古代」終焉の裏側 宗教の時代「中世」 ルネッサンスと宗教改革
宗教改革の近代性 言葉としての「中世」 ヨーロッパ「近代」の社会像 地理上のヨーロッパ 理念としてのヨーロッパ 歴史上の「近代」
市民革命 産業革命と資本主義社会 資本主義の時代 日本にとってのヨーロッパ「近代」 ヨーロッパ「近代」の人間像 大人の文化
男性中心の社会 白人優勢の時代 人間主義の驕慢 ヨーロッパ「近代」の世界像 デカルトにみる近代合理性
合理主義精神と方法的思考 真と偽のあいだ “二値理論”とファジー 民主主義の嗤い
2005/09/02
『エスニシティの社会学』 著:マルコ・マルティニエッロ 訳:宮島喬
2002 白水社文庫クセジュ 169P
まだまだマイナーなことばであるエスニシティとは、一体何ぞや、という、
それを読者に紹介することを第一目的としている著作です。
だから、そんなに高尚なことをいうつもりはないらしいです。
ですが優れた姿勢がありますので、それを引用。
「分析は、超領域的で、多次元的であること。
それによってのみ、エスニシティにあらゆる複雑さを与えている多様な相貌を考察の対象とすることができる」
推奨度
★★★★
大見出し
概念の生成 エスニシティの三つのレヴェル エスニシティへの主な理論的アプローチ エスニシティとその隣接概念─総合的観点から
エスニシティと社会階級 エスニシティと性 エスニシティ、政治、紛争
2005/09/01
『語られざる哲学』 著:三木清
1977 講談社学術文庫 118P
あれ、私がいる?
もしかして私って三木清の生まれ変わりとか?
率直な感想、いや、当然後のは冗談ですが。
三木清23歳の若々しい自伝的な私文書。
語られざる哲学なので、他人から共感を得ようなどと思って書いたものではなく、
ごく一部の人にだけ解って貰えればいいや、という意図。
私は多大に共感できました。
その、23歳にして「俺も昔は考え方がまだまだだった……、まぁ、今となっちゃぁ……」っていう自信っぷりが、
何か鏡に映った自分のような気がして少し自省の念をおぼえます。
我が青春、という附記で、これは後年に書かれたものですが、またまた「これ書いた時は若かったなぁ」と云ってます。
まぁ、人間、いつでも以前を偲んでしまうものなのでしょう。
推奨度
★★★★
大見出し
語られざる哲学 我が青春