読書記録

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2005/12/10

『ベンヤミン「歴史哲学テーゼ」精読』 著:今村仁司

2000 岩波現代文庫 192P

精読というからには、一行一行を数頁に渡って読み込むのかと思ってました。

よく考えたら、一般向け文庫本で、しかもこんな薄いのに、そんなたわけたことするわけないですね、

何考えてるんでしょう私。

二分法で負から正を取り出すとか、モナド的時間論とか、かなりヘルダーを思わせる節をビシビシ伝えてくれました。

ベンヤミンへの興味が一気に高まりましたが、何だか今村ベンヤミン、という匂いが強すぎないでもないです。

まぁ、自分の思考の豊饒性のためなら、別に誰が言ったって、いいんですけどね。

推奨度

★★★★

見出し

方法について 二分法の無限シリーズ 星座(コンステラチオン) 静止状態 像(Figuren)による思考 歴史の概念 神学の理念

認識の可能性の条件 解放の理念 歴史的時間の概念 ベンヤミンの歴史的時間について ときの間(Entr-temps, Zwischen-Zeit)

「まだ-ない-もの」(未到来)はどこにあるか コスモロジーと時間性

 

2005/12/08

『本居宣長』 著:子安宣邦

2001 岩波現代文庫 225P

重要性は認めるものの、いまいち好きになれない人。

特にヘルダーを中心にやっている現在、読んでみると、やっぱり狭隘さが目立ちまくりで鼻についてしまいます。

ウーン、上田秋成の方が断然好きですねえ……、『雨月物語』も大好きです。

何ていうか、ちょうど、カントとヘルダーと同じ様な感じなのかもしれない……、論争の内容とか関係こそ違えど。

私が彼らに抱く親近感・苦手感は、ちょうど、ヘルダー・秋成、カント・宣長、って感じです。

いや、宣長よりはカントの方が分かりますし、近いですが。

それでも、嫌いだ、って拒否しきれないのが、宣長の魅力としてあるんですね。

先月、子安さんがまた宣長について新書で出してましたので、読んでみようかと思ってます。

推奨度

★★★★

大見出し

なぜ宣長か、なぜ『古事記伝』か 「始まり」の物語 『直毘霊』と「皇国」像の形成 美しき「口誦のエクリチュール」 天地の「初め」の物語

神をめぐる言説 新たな「神代の再・語り」 「一神」と「多神」と──現代神道と「神の国」の再構成

 

2005/12/06

『和辻哲郎 異文化共生の形』 著:坂部恵

2000 岩波現代文庫 277P

初版は1986年のもの。

文庫におさめられたわけですが、まったく古くささは感じないです、

まぁ、それだけ和辻研究も大してされてないんですね。

ヘルダーを一般読者に紹介した(一応)人としては、

一番大きい役割を果たしたのが彼じゃないでしょうか(それでも、認知度は、ねぇ……)

よくハイデガーなんかと一緒に語られはしますが、決定的に彼の風土論へ影響を与えているヘルダーについては、

ほとんど語られていませんし、和辻自身も多くの誤解を含んでいますね。

どんな誤解があるか、それを明確にすると、一つの論文にできそうな気がします。

もう既に何処かの誰かにやられていそうなテーマでもありますが、

検索しても論文は見つからないので、いつかやりましょうか。

推奨度

★★★★

大見出し

見出された時 人としてあること 風土としての空間 巡礼の時間 かたりの時空 失われた時

 

2005/12/03

『ヘルダー ゲーテ』 著:ヘルダー/ゲーテ 編:登張正實 訳:小栗浩/七字慶紀

1979 中央公論社 538P

世界の名著38。

ちなみに、世界の名著は全体的にとかく出来が素晴らしいですよ。

日本ヘルダー研究の基本中の基本文献。

あまりにあちこちに引用され過ぎているので、何となく読んでいませんでした。

今回、ヘルダーの原語にとりかかるにあたって、どんな訳がされているのか見ることに。

頭のヘルダー紹介は、綺麗にまとまっていて無難に良い。

ですが、やっぱり既存の枠を越えるものではない、まぁ当たり前。

内容については、特に突っ込みません。

読まなきゃよかった、なんてことはつゆとも思いませんでしたし、推奨度の示すところです。

ゲーテの方はサーッと読んだ感じですが、やっぱり、人生最強の目標はヘルダーよりゲーテかもしれません。

彼はまったくデカ過ぎるッ!!

いつか真っ向から対決したいものです。

推奨度

★★★★★

大見出し

人間性形成のための歴史哲学異説 シェイクスピア 彫塑 / 文学論・美術論

 

2005/11/29

『「ヘンゼルとグレーテル」の森』 著:飯豊道男

2000 中央大学人文科学研究所 36P

その類推は一体如何なものか、と思うところがちらほらと。

例えば、ヘンゼルとグレーテルの家が「森の入り口」にあると訳されるのは適切ではなく、

「森の手前」と訳されるべきだ、というのはいいのですが。

「貧しい木こり」と形容しているからって、木こりは遍く貧しいものだから、

農村の実態を知らない都市の人々の伝承だったんだ、と決めつけるのは……。

一段と貧しかったからつけたのかもしれませんし、

グリム兄弟が、都市層に分かりやすくするために付け加えたのかもしれませんし。

それに、ヘンゼルとグレーテルの兄妹が、両親のひそひそ話を聞いたところも、

別に部屋で仕切られていても聞こえてくるものと思います。

というのも、隙間だらけで音漏れなんて当然だからです。

もしそうではないのだとしたら、証拠を挙げなければ……、と思ってしまうあたりが、史学と文学解釈の差ですか。

しかし、文学解釈だって、史学的な面を取り入れていく必要がありましょう。

その逆もまた然りで。

推奨度

★★★

 

2005/11/28

『グリム兄弟自伝・往復書簡集』 著:グリム兄弟 訳:山田好司

2002 本の風景社 262P

まるで文学作品のようです。

麗しきは兄弟愛哉。

勿論、史料としても使えますね、当時フランスに占領されたドイツ人の気持ち等々。

にしても、後世、得体の知れぬ極東の若僧に手紙を読まれてしまうというのだから、

有名人になり過ぎるのもこっぱずかしいもんでしょうね。

三巻まで出てるので、時間があれば、読んでいきたいところです。

推奨度

★★★★

大見出し

ヤーコプ・グリム自伝 ヴィルヘルム・グリム自伝 ヴィルヘルム・グリムをしのぶ講演 往復書簡(1805年)

 

2005/11/27

『ドイツ経済史入門』 著:クヌート・ボルヒャルト 訳:酒井昌美

1988 中央大学出版部 140P

主に力を入れて読んだのは、産業革命前までのところです。

産業革命以後のことが書いてある本は多いですが、それ以前のものって少ないですからね。

雰囲気としては、やっぱりそこらを境にして、歴史学と経済学で分かたれているような感じがします。

このあたりの境界条件って何なんでしょうね〜。

ドイツ社会史の制度などを押さえたい人は、いい入門になります。

推奨度

★★★★

見出し

産業革命前の発展 最初の農業革命と農業社会 18世紀までの人口発展と国土拡張 中世から18世紀にいたる生産様式

前工業社会の経済・社会制度 グルントヘルシャフトと農民経済 都市と都市的経済様式 国家と国家的経済活動 市場経済とその組織

18世紀の伝統的社会と経済 産業革命 産業革命の中心と周辺 ドイツ諸国の自由主義的改革と帝国建設にいたる国家活動

泡沫会社設立期恐慌にいたる経済発展 社会的対立 19世紀末以降の発展 近現代ドイツ経済史の諸時期

この百年の経済発展の諸傾向 趨勢の転換点?

 

2005/11/26

『歴史主義』 著:C・アントーニ 訳:新井慎一

1973 創文社 234P

歴史学叢書シリーズ。

下のを読んだ直後だからかもしれませんが、これなんてまさに、

泥沼の上に建物をたてようとして失敗しているという感じでしょう。

別に偏見でもないんですが、やっぱりというか何というか、イタリア人らしく、

もうノリと勢いで論をガーッと進めていっているという感じで、ついていけません、

段落も代わらないうちに話が二転三転していってしまいます。

しかも、訳もあんまりよろしくないのか、話が飛びまくるわりに人称代名詞が続いたりしますので、

この「彼」って誰よ、って思うこともしばしば。

そして例えば「絶対的歴史主義」のように、意味の解らない用語がチラホラ。

原文は見ていないのでわかりませんが、おそらく、内容から察するに、

「一般的に言われているマイネッケが言うような歴史主義」という意味で、「絶対的」なのではないかなと。

もちろん、ところどころにキラキラ光るものが散在はしていますので、人によっては名著になり得るものでしょう。

推奨度

★★★

見出し

その言葉の意味と歴史 イギリスにおける歴史主義の先ぶれ 自由主義的歴史主義 人文主義的歴史主義 国民の神話

ロマン主義的歴史主義 弁証法的歴史主義 19世紀の歴史叙述 唯物論的歴史主義 絶対的歴史主義

 

2005/11/25

『歴史哲学』 著:W・H・ウォルシュ 訳:神山四郎

1978 創文社 242P

歴史学叢書シリーズ。

久し振りに、これはキタッ!!という一冊。

思弁的歴史哲学〜以降の章は、興奮度に欠けてきますが、見出しを見れば分かる通りの、

基本概念を一から徹底的に説明し屋台骨を作り、全体を段々と構築していく腕前は見事です。

よくあるタイプの、「〜は真理ではない」と言いながら、

その「真理」という概念が空だったりするようなものではありません。

このあたり、流石は哲学者向けに書いたと言うだけあります。

勿論、哲学者向けに書いたといいましても、

難解な用語がつらつら羅列される初心者お断りの内容というわけではなく、

一般の歴史学畑の人が読んでも十二分に理解可能な、というか、そこらの歴史学の本以上に読みやすいもの。

その一因としては、訳の達者さもあるのでしょう。

歴史哲学研究の泰斗と云える神山さんに惜しみない讃辞を。

推奨度

★★★★★

見出し

歴史哲学とは何か この主題に対する現代の疑念 批判的歴史哲学と思弁的歴史哲学 批判的歴史哲学 思弁的歴史哲学

この本の計画 歴史と科学 歴史の予備的性格づけ、歴史と感覚知覚 科学的知識の特徴 歴史と科学的知識

歴史的思考の二つの理論 歴史的説明 コリングウッドの歴史理論 コリングウッド理論の批判 歴史における「総合」

歴史と人間性の知識 この概念の難点 歴史の真理と事実 対応としての真理と整合としての真理 歴史と「対応理論」

歴史と「整合理論」 中間的立場への批判 歴史は客観的たり得るか 歴史における客観性の概念の重要性 この問題の序言

歴史家の間に不一致を起こさせる要因 要約 史的懐疑論 展望理論 客観的な歴史意識の理論 思弁的歴史哲学─カントとヘルダー

一般的な特徴 カントの歴史哲学 カント理論の批判 ヘルダーの歴史哲学 思弁的歴史哲学─ヘーゲル ヘーゲルへの移行

弁証法と精神の哲学 ヘーゲルの歴史哲学 ヘーゲル理論の批判 あと数人の著述家 コントと実証主義の運動

マルクスと史的唯物論 トインビーの歴史の研究

 

2005/11/23

『株式入門<第4版>』 編:日本経済新聞社

2004 日経文庫ベーシック 188P

下のものより新しいので、こちらの方がオススメですね。

ただ、下よりもこちらの方が硬質な感じです、下の以上に絶対儲かるとかそういうのが無く、

あくまでも仕組みを解説しているという堅実なもの。

やっぱり相対的に見ることはできませんが、とっても参考になります。

推奨度

★★★★

大見出し

進み始めた株式市場改革 株式は経済の生命線 株式市場の仕組み 株価はなぜ動く 証券会社 株式投資信託の投資法

信用取引の仕組み 先物とオプション 広がるインターネット取引