読書記録

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2005/12/29

『教育心理学』 著:作間慎一/大竹信子/鈴木牧夫/高平小百合/小林亮/窪内節子

2005 玉川大学出版部 157P

ATI理論の説明が、一番よく書かれていました。

ゲシュタルト理論と繋がっている、ということを教えてくれたのは、この入門書です。

こういう、繋がりを教えてくれるもしくは示唆してくれる本というのが、良著なのです。

えー、当然ながら、教育心理学でいうところの、レディネス、受け入れる基盤が、

受け手に無ければ、それまでなのですが。

教育心理ってのは、一度、参照してみて損は無いと思いましたよ。

推奨度

★★★★

見出し

教育と心理学 人間と教育 人間の理解と教育 教育の理解と心理学 人間の発達 人格発達 知的発達 関係性の発達

子どもたちの発達上の諸問題 教授と学習 学習の理解─行動論と認知論から 知識の教授学習 学習における興味・関心と学習意欲

教授学習の教育評価 個性と社会性 人格と個性 学習における個性─適性処遇交互作用(ATI)

道徳性の発達に見られる社会化と個性化 学習意欲における個人差─原因帰属と動機づけ

学校における心理・社会的な問題の相談と対応 学校における心理臨床活動 学校教育相談とスクールカウンセラー

スクールカウンセラーの活用 心理・社会的問題への対応

 

2005/12/28

『ある思想史家の回想』 著:バーリン/ジャハンベグロー 訳:河合秀和

1993 みすず書房 298P

対話編です。

対話なので、語り口がバーリンの著述モノなんかより断然わかりやすく、

かなりリアルなところまでその思想が肉迫して伝わってきますよ。

バーリンのヘルダー論を参照するなら、もちろん『ヴィーコとヘルダー』は必需品ですが、

こちらも侮りがたいどころか、是非に参照にしなければ、嘘でしょう。

「哲学史をうまく解明するような本を書くには、これらの問題をできる限り「内側」から見るように努めねばならない。

 論じている哲学者たちの精神世界の中へ、想像力をかりて入り込むように努力しなければならない。

 ある思想を抱いている人々にとってその思想が何を意味するのか、

どのようなことが彼らにとって中心的なことなのかに、入り込んでいかねばなりません。

 そうでなければ、真の思想史はあり得ません」

推奨度

★★★★★

見出し

バルト地方からテムズ河へ 二つのロシア革命 1930年代のオックスフォード カール・マルクス、私の最初の執筆依頼 ウィーン派

アフマトーヴァとパステルナーク アウシュヴィッツの発見 哲学者なのか、思想史家なのか 哲学者のいない哲学?

レオ・ストラウスの「魔法の目」 文化的な差異について 文化的相対主義と人権 二つの自由概念 多元主義についての討論

理想の追求 大陸への橋 近代政治学の誕生 マキャヴェリ、政治の自立性 国家とトマス・ホッブス スピノザと一元主義

反啓蒙思想、ジョセフ・ド・メストルとエドモンド・バーク ヴィーコ、あるいは新しい科学 ハンナ・アレントについて

今日、ユダヤ人であること ヘルダーと社会観 思想史、孤独な学問 政治思想─時の試練 注文待ち、ないしは客待ち ドイツ人の屈辱

ヘルダー、ナショナリズム、シオン主義 18世紀の相対主義 道徳と宗教 ヒュームとイギリス哲学 人権

ヴェルディ、ストラヴィンスキー、ヴァーグナー モーゼス・ヘス、シオン主義者 ルクスと19世紀の社会主義運動

左翼とマルクス主義の破産 自由の哲学 スティーヴン・スペンダー、60年の友情 哲学の目的 多元主義と民主主義 平等と自由

オックスフォード哲学と実証主義 ベルグソン、シェリング、ロマン主義 個人的な印象19世紀のロシア思想 ネチャーエフとニヒリズム

ツルゲーネフ ドストエフスキー アレクサンドル・ゲルツェン 知識人とインテリゲンツィア 1848年 ハリねずみと狐 ベリンスキー

パステルナークからブロツキーへ チャーチル、ワイルマン、ネルー ジョルジュ・ソレル、ベルナール・ラザール

 

2005/12/27

『風土 人間学的考察』 著:和辻哲郎

1979 岩波文庫 299P

日本で最初期にヘルダーを紹介している和辻の貴重な著。

以前は、よもやここまでのものとは思わずに、フツーに華麗にスルーしてました。

ヘルダーを研究し始めてから、和辻の風土論に触れ、彼の功を知りました。

要は、日本に於けるヘルダー需要の基盤を作っているのですね。

ただ残念ながら、ヘルダーの思想としてよりも、単に和辻の思想としてしか広まらなかったのですが……。

正直なところ、風土論は、ヘルダーの基礎概念を借りて東洋のことを詳述したに過ぎません、

いや、過ぎないというと過小評価になってしまいますが……、

ともかく、和辻の名が売れる割にヘルダーの名が売れないってのはどうよ、と。

ハイデガーと和辻が比較研究される割に、いや割にどころか、ヘルダーと和辻が比較研究されてないってどうよ、と。

まあともかく、読んで損無し、と。

推奨度

★★★★★

大見出し

風土の基礎理論 三つの類型 モンスーン的風土の特殊形態 芸術の風土的性格 風土学の歴史的考察

 

2005/12/25

『フリーメイソンリー その思想、人物、歴史』 著:湯浅慎一

1990 中公新書 231P

ヘルダーが載っていて驚きの再読。

これを前に読んだのは、もう5年前のことですか。

当時は結構鵜呑み的に読んでいましたが、今読むと、懐疑感がかなり出てきますね。

普通の歴史だって、史料が溢れていたって解釈論争が起こるというのに、

あまり視点の多くない、狭いところの少ない史料で、という研究になるので、

どうしても裏付けが弱いというか、一面的というか。

まぁ、一般的な歴史研究では看過され過ぎているというのは勿論忠告すべきこととしてありますね。

かといって取り扱われると過大になるというのが、極端なものだと思います。

読んでいて、フツーにコレは違うよ、というのも結構ありました、

ヘーゲルの世界史定義がヘルダーのものと同じみたいなことが書いてあったりして。

改めて読んでみると、あまり、というかほとんど、メイソンの思想核心には触れられていませんね、

カバラとかヘルメスからの影響などなど。

以前の私をソッチ方面に引っ張るには、十分な衝撃を与える一冊だったことは間違いないです。

推奨度

★★★★

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フリーメイソンリーの思想 フリーメイソンリーとカトリック教会 フリーメイソンリーとヨーロッパ王朝の政治的関係

 

2005/12/23

『バーリン ロマン主義講義』 著:アイザイア・バーリン 訳:田中治男

2000 岩波書店 249P

何だか掘り下げれば掘り下げるほど、ロマン主義、ロマン派って何だ?と思えてきます。

で、同時に、ヘルダーは全然ロマン主義じゃない、という確信も得られます。

マイネッケは初期ロマン派とか前ロマン派って云っていますが、うーん、どうなんでしょうね。

ロマン主義といわれる一大潮流の源泉は、間違いなくハーマン、ヘルダーなのですが、

彼らとロマン主義の間には、大きな溝で隔絶されていると思います。

もちろん、カントからのドイツ観念論とヘルダー、ドイツ観念論とロマン主義も、

かなり距たっていると思うのですが……。

そこへきて面白いのが、ゲーテとカントとインド哲学のごった煮みたいなショーペンハウエルの存在。

そして、彼からニーチェへの影響。

こうしてみると、ニーチェが特異たるのは必然なのかとも思えたり。

推奨度

★★★★

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定義を求めて 啓蒙への最初の攻撃 ロマン主義の真の父祖たち 抑制されたロマン派 手綱を解かれたロマン主義 存続する影響

 

2005/12/18

『ヘルダー旅日記』 著:J.G.ヘルダー 訳:嶋田洋一郎

2002 九州大学出版会 339P

一週間以上は格闘しあっていましたが……。

凄まじい。

正直、圧巻の一言。

これ以上の『旅日記』和訳本はこの先出ないと思います、日本人で良かったと思える、それくらいの決定版。

構成は大きく四つからなっていて、

一つは『旅日記』本編、一つは書簡集、一つは『旅日記』前の別れの説教、一つは詩篇。

一番重要なのは、もちろんながら、最初の『旅日記』本編なわけですが、残りの三つも単なる付録と侮るなかれ。

書簡集の中の、モーゼス・メンデルスゾーンとのやり取りなどは、

ヘルダーが自著で記さなかった重要な考えを色々と披瀝しています。

さて、本編、それほど良い訳なのかといいますと、勿論、とても素晴らしい出来具合になっていますが、

それだけに終わらず何と、訳注の数が厖大なもので、その数924。

徹底的に堅固な出来具合。

その分、値は張りますが、これはヘルダーやる人なら買いでしょう、中古で半額くらいだったら即決といった感じ。

……いや別に回しモンじゃないですがね。

内容はというと、ヘルダーの最初期にあたるわけですが、

歴史哲学・自然哲学・言語哲学の核は既に出来上がっていますし、

何より、他ではなかなか見られない教育論がかなりのページ数に渡って描かれています。

おそらく、『旅日記』という標題が悪いせいか、今まで日を浴びなかったのでしょう

(そもそもヘルダー自体、名前の割に読まれていませんし)

『異説』が一番良いかとも思っていましたが、

若く力強い『旅日記』が実はヘルダーの中で最重要にあたる著作なのではと思い始めています。

生前は刊行されなかったものなんですけれどね。

とにもかくにも、私はヘルダーと出逢えて本当に良かったと心の底から思えました。

こんな気持ちにさせられたのは、誠に久し振り。

推奨度

★★★★★

 

2005/12/17

『教育思想のルーツを求めて──近代教育論の展開と課題』 著:関川悦雄/北野秋男

2001 啓明出版 155P

王道的な教育論者だけを挙げるに留まらず、例えばバセドウだとかは抜かされて、

大胆にもアリエスなんて入れたりしているあたり、冒険的というか先見の明があるというか……、で、好感度大。

こうしてみてみると、ドイツ系の教育思想家が完全にヘルダーの影響下にあることは勿論ながら、

パーカーだとかデューイって思いっきりヘルダーから遅れていますね。

教育思想史の流れにヘルダーが入ってこないのが明らかにおかしい。

そんな不満を覚えつつも、まぁ手堅くまとまっていますし、ラインナップは上述の通り、一風変わってる感じ。

推奨度

★★★★

大見出し

一斉授業の方式─コメニウスの教授学 人間の理性による自律─ロックの人間形成論 子どもの発見─ルソーの市民教育

人間教育の実践─ペスタロッチの直観教授 教授過程の定型化─ヘルバルトの科学的教育学 幼稚園の創設─フレーベルの幼児教育

教育を受ける権利思想─マンの公教育論 児童中心の新教育思想─デューイの経験主義教育論

フリー・スクールの創設─ニイルの自由主義教育論 教師と子どもとの関係─ブーバーの教育的出会い

<子ども>と<教育>の発見─アリエスの心性史研究 「教育=学校化」批判─イリイチの脱学校論

 

2005/12/13

『上田秋成』 編:長島弘明

1991 新潮社 111P

新潮古典文学アルバム。

オールカラーで史料がふんだんに載せてあるので、他の一般書籍と比べて遙かに色々参考になります。

そもそも、上田秋成論の単著は数少ないので、

このあっさりした文章、そしてこってりした史料で付き合えるのは、たっぷり旨味があります。

時間ができたら、雨月も春雨も、もう一度読んでみようかなあ。

推奨度

★★★★

 

2005/12/13

『歴史と実存』 著:飯塚勝久

2005 北樹出版 204P

論文集、あまり内容と釣り合った表題ではないと思います。

主にはフランス・ジャンセニスムの論文ですね、それ以外のものは、20〜30年前のもので、

傾向がだいぶ違っています。

コットレという現代のジャンセニスム研究者がいるのですが、

彼女が“啓蒙の18世紀”の別の側面を暴き出そうとしたというところで、

時代は全然違いますし方向も違いますが、ヘルダーと軌を一にしているという著者の指摘は、なるほどと思いました。

で、やっぱりキルケゴールは良いですね。

推奨度

★★★★

見出し

キルケゴールにおける思想と表現 一思想家の幼年時代─サルトル論 無限の空間の永遠の沈黙─パスカルと近代の宇宙観

ジャンセニスムと現代 歴史哲学における民族主義の視点 ジュフロワとヘーゲル ジャンセニスム研究の動向

18世紀ジャンセニスムの新解釈 F・エレン・ウィーヴァーとポール=ロワイヤル尼僧院規程

 

2005/12/11

『ヴィーコとヘルダー』 著:アイザィア・バーリン 訳:小池けい

1981 みすず書房 410P

紛らわしいタイトルですが、二人の比較考察ではなくて、それぞれを論じたもの二本収録。

両論読めば、自然と比較考察されていく、というのはありましょうが。

ヴィーコの方は、ほとんど飛ばし読みに近い感じでしたので、

またそのうちヴィーコを考えるときに、読み直したいですね。

対してヘルダーの方は、きっちり熟読精読、どころか、かなりのところを書き写しました。

もっと気軽に入手できれば……、再版希望!!

とっても定評のあるヘルダー論ですので、まぁ、無難にオススメです。

定評あるってことは、それを壊さなきゃいけないんですよ、ね。

推奨度

★★★★★

見出し

ジャン・バッティスタ・ヴィーコの哲学上の諸観念 ヘルダーと18世紀啓蒙思潮