読書記録

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2006/04/22

『『カンディード』<戦争>を前にした青年』 著:水林章

2005 みすず書房 164P

理想の教室。

そもそもヴォルテールって小説なんて書いているんだ、という人さえ多いので、まずはこれを読んでみましょう、と。

丹念な読解で難解なところにまで触れていますが、あぁなるほどヴォルテールだな、と分かってくるでしょう。

勿論文庫などで読むのがいいのですが、何しろ分厚い。

しっかしまさかこんな一般向けの本でエストライヒの名前を見るなんて思わなんだ。

フーコーの文脈で彼が指摘されているだけで星一個プラスな感じ。

推奨度

★★★★★

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「きれいな戦争」? カンディードは言葉の囚人? 間近から見る戦場 「断片化した身体」から見えてくるもの

 

2006/04/22

『教育実習57の質問』 編著:白井慎/寺崎昌男/黒澤英典/別府昭郎

1992 学文社 151P

表題の通り、Q&A形式で57つ。

一つ一つが端的なので分かりやすくてとてもいいです。

そこらへんの分かりにくい実習教則読むよりは断然いいんじゃないかという実感です。

推奨度

★★★★★

 

2006/04/21

『神話と意味』 著:レヴィ=ストロース 訳:大橋保夫

1996 みすず書房 79P

頭で緒言されているように、レヴィ=ストロース入門に何がいいか、と言われたら、

まずどんな解説書よりもこれをオススメしますね。

構造だ何だってわけわからん、というような人でも、あ、なんだただそれだけのことか、と思えることでしょう。

英語が苦手なレヴィ=ストロースが、英語で話しているものですので、

変にごちゃごちゃしていたりレトリックが使われていなくて分かりやすいです、そりゃそのぶん味は落ちてますが。

だって英語苦手なのにごちゃごちゃ説明すんのメンドクセーもん、ってことですよ。

確かに、他言語だと、summaryだとかでも簡略化されますね、意外に見落としがちなところか。

「段を重ねて書いてあるオーケストラの総譜のように神話を扱ってはじめて、

それを一つのまとまりとして理解でき、神話の意味を引き出すことができます」

推奨度

★★★★★

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神話と科学の出会い “未開”思考と“文明”心性 兎唇と双生児─ある神話の裂け目 神話が歴史になるとき 神話と音楽

 

2006/04/20

『サルトル 失われた直接性をもとめて』 著:梅木達郎

2006 NHK出版 P

シリーズ・哲学のエッセンス。

脱稿してすぐに若くして著者が亡くなられてしまったようです、残念。

著者のサルトルに対する読みというか感性が、

かなり私のそれと合致していて非常に好感が持てただけに一層残念です。

専門を持っていない、けれど何か何処か原点にサルトルがある、というのも同様なので……。

シリーズ通り、短くて読みやすくていいです、サルトルは当たりの方でしょう。

サルトルなんて古いよ、という人にはやはり私も言い返したくなります。

推奨度

★★★★

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わたしは世界にじかに接している 時間性あるいは自己からの距離 わたしは他者に到達できない わたしを疎外する歴史と社会

 

2006/04/18

『ペスタロッチとルソー ルソーの批判者にして完成者としてのペスタロッチ』

著:F-P・ハーゲル 訳:乙訓稔

1994 東信堂 87P

読みが足りないというか甘いのかもしれませんが、そこまではっきりと、歴然とした差は見られないですね。

なるほどペスタロッチはルソー教育学の完成形とみることもできますが、しかしそれではルソーは不要なのかというと、

ルソー教育学はそれはそれで意義あるものとして重宝されているので、さてどうなのか、と。

というかちょっと短すぎてうまく掴めないところがあるかもしれません。

短くて、まとまっていることはまとまっているのですが、それが逆に。

推奨度

★★★

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ルソーの哲学思想と教育思想の特質 ルソーに対するペスタロッチの関係の特質

 

2006/04/18

『英語の行間を読む 【ニュアンスの読解術】』 著:岩垣守彦/ジョン・ベスター

1992 The Japan Times 206P

ああなるほど、そんな風にして微妙なニュアンスを出すのか、と役に立ちます。

小説はホント訳すのが大変ですからね、事実を伝えていくというような内容ではありませんので。

ただ、最後に載っている全訳が、何故かそれまでの対話を全然踏まえていない直訳体なのは一体何故でしょう、

そこがとても残念。

推奨度

★★★★

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やさしい童話を読む 短い現代文を読む 長めの現代文に慣れる 少しむずかしい英文に挑戦

 

2006/04/17

『映像と社会─表現・地域・監視』 著:田畑暁生

2003 北樹出版 139P

四つの章は、それぞれ別問題を扱っています、著者も、目的に合わせてそれだけ読めばいい、と言っています。

私のように通読目的で読む人は少ないか。

感じとしては、一章が一番秀逸な出来具合かと思います。

四章には期待していたのですが、色んな人の論を紹介するだけで終わってしまっています。

もちろん、これを研究史として見れば、よくまとまっていてイイ感じです。

しかし著者は監視論と管理論が全然別のもののように語っていますが、一体どうなんでしょうね。

推奨度

★★★★

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映像と社会 各映像メディアの特質 映像による地域振興 監視と映像

 

2006/04/16

『アクシデント 事故と文明』 著:ポール・ヴィリリオ 訳:小林正巳

2006 青土社 199P

久々のヴィリリオさんでとても楽しい読書時間を満喫できました。

個人的には星5つなんですが、やっぱり文章がヴィリリオ調で、

「おまえはなにをいっているんだ」って思う人も結構出てくるかと思いますので、4つ。

一読すれば、事故概念が辞書通りのものでなくなってしまうことでしょう。

しかし日本語の事故と、英語のアクシデント、それからフランスのアクシダンは、全部違うような気が……

(後者二つの亀裂は、日本語とのそれほどではないでしょうが)

まあ言語が違うんだから当たり前じゃん、といえばその通りですが。

しかしヴィリリオが冒頭でブロックを引いているのには嬉しかったです。

大抵、歴史家は哲学的な発言をしていても無視されることが多いですから。

それとともに、ブロックが速度に言及していたことにも驚きですが……、

それからアリストテレスのアクシデント概念にも驚きました、新鮮な気分。

核心、というか面白いところを引用。

「実際、世界の終わりを妨げるためにすべてが許されるのなら、それはすべての終わりである!

 道理──最高の強者のものをも含む──が瓦解し、最高の狂人の道理が取って代わる」

推奨度

★★★★

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事故の発明 事故というテーゼ 事故博物館 事故の未来 期待の地平 未知数 公共的情動 原罪的事故 走行圏

 

2006/04/15

『ポストモダニティ』 著:デイヴィッド・ライアン 訳:合庭惇

1996 せりか書房 190P

ポストモダン全般の簡単な概説書無いですか、と言われたら、これはオススメできますね。

それだけでなく、ポストモダニズム、ではなくて、ポストモダニティですので、また違った接近が見られます。

「分析の道具として、文化にアクセントがある場合にはポストモダニズムであり、

社会的なものが強調される場合にはポストモダニティであるとおおまかに区別しておこう」

そしてポストモダンという名前がどうこう言う人々には、次の一撃を。

「まったく予見しがたい社会的文化的変化が起きつつあり、

それを要約するのに「ポストモダニティ」が最良の述語であるかどうかは議論の余地がある。

重要なことは、なにが起きつつあるのかを理解することであって、それを把握する概念に同意することではない。

さしあたり「ポストモダニティ」という言葉でよいだろう」

推奨度

★★★★

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序─映画のレプリカントと社会的現実 ポストモダニティ─概念の歴史 近代と近代への不満 ポスト産業社会からポストモダニティへ

消費社会─来るべき事物の(無)形 ポストモダニティ、一千年紀末と未来

 

2006/04/14

『素朴と無垢の精神史 ヨーロッパの心を求めて』 著:ピーター・ミルワード 訳:中山理

1999 ミネルヴァ書房 163P

著者は300冊超える著作をものしている多作家で、名前をよく見かけることでしょう。

本著とも少しだけ関係ありますが、シェイクスピア論が秀逸です。

キリスト教司教なので、抹香臭さが無いわけではないですが、

西洋と東洋にそれほどの断絶があるようには思えない、心性は共通しているところが多い、だって同じ人間だし、

という意見には賛成ですね。

推奨度

★★★★

大見出し

西洋にはもう学ぶものはないのか 知恵はいずこに 出家とその弟子 「自然へ帰れ」 「黄金時代」という理想 清貧の貴婦人

『不可知の雲』─神秘主義の系譜 緑なす木の下の理想郷 高貴なる野蛮人 「見るがよい、子どもを」 脅威の念の復活

エコロジーへの道