読書記録

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2006/08/29

『ドイツ憲法史』 著:小林孝輔

1980 学陽書房 202P

憲法史というと普通は憲法の出てきた近代からですが、

本書はその前段階から法制史的、一種の文化史的見地で、

つまり古代ゲルマンの時代から通観するという形をとっています。

法制史的というよりは法思想史的な面が強いかもしれませんが。

どころか、ドイツ史の通史的にも読めます。

このような書物は少ないので大変助かります。

一番ページ数が多いのはやはり近代19世紀。

推奨度

★★★★

大見出し

ドイツ憲法前史 封建国家 中世の終末 人文主義 啓蒙時代の法思想 十九世紀前期の立憲思想と反動思想

プロイセン・ドイツ帝制 ヴァイマル憲法体制 現代のドイツ憲法体制

 

2006/08/28

『封建制の本質と拡大』 著:O・ヒンツェ 訳:阿部謹也

1966 未来社 109P

国制史の重鎮ヒンツェの短めな論文。

阿部氏が堅実な仕事をしている時期ですね、今大方に想像される阿部像からすると意外かもしれません。

日本論がそこそこありますが、福田徳三に完全依拠という感じですので、

註にもある通り鵜呑みには決してしないこと。

封建制が果たして何処まで適用可能な概念であるのか?というヒンツェの問題意識、

そして本書による試みはもっと高く評価されるべきでしょう。

推奨度

★★★★

 

2006/08/27

『ヨーロッパ封建都市』 著:鯖田豊之

1994 講談社学術文庫 254P

原著は1957年の、これまた西洋史学必読文献。

封建都市がいかなるものか、それを説明するために前段階から前提条件、

さらにその後のことまで述べているので、結果的に古代ギリシアから近代まで2000年ほどの叙述になってます。

ので、単なる封建都市論といわず、一つの西洋史概論として見ることも可能、だと思います。

推奨度

★★★★★

大見出し

封建都市をいかに捉えるか 古代的商業の衰退 封建都市の前提 封建都市の成立 封建都市の構造変化 封建都市の近代化

 

2006/08/26

『お風呂の歴史』 著:ドミニック・ラティ 訳:高遠弘美

2006 白水社文庫クセジュ 168P

読みにくいことで定評のある文庫クセジュですが、意外や意外、

とても分かりやすい上、エンタテインメント性もあって読みやすく面白い。

古代ギリシア〜一次大戦期頃までのお風呂+水浴びなどなどの事情を書いています。

もちろん西洋とくにフランス中心で。

風呂というのは衛生学や医学そしてもちろん社会学ならびに風俗学と密接に関わっているばかりか、

精神史的ですらありまして、非常に興味深く、万人にお勧め。

暗黒の中世だなんて言って小馬鹿にしていた近世の連中の方が、

むしろ不潔だったという面白い事態が分かります。

で、21世紀の今や、我々からしたら毎日の入浴が当たり前といったところですがしかし、

フランスでは4割ほど。

ヨーロッパって優雅で美しくて〜と幻想を抱いている人がいたら、まぁ、ナンですね。

推奨度

★★★★★

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古代 中世 ルネサンス─入浴の衰頽 十七世紀と十八世紀 十九世紀

 

2006/08/24

『西洋中世世界の成立』 著:増田四郎

1996 講談社学術文庫 274P

原著は1950年の、西洋史学必読の古典です。

タイトル通り、西洋中世世界の成立過程を下記見出しのような様々な論点から突いたものです。

筆者自ら力不足なので描ききれていないと認めてしまってこそいますが、

その研究史梗概としても非常に役立つ一冊。

ただ少し古いかもしれませんし、やはり一般向けではありません。

特に、ユスティニアヌスの記述に見られる

「一介のサーカス娘に過ぎなかったといわれる

皇妃テオドラとの関係にみる顰蹙すべき弱点は否定し得ないにしても、」

というくだりは、ツッコミ処満載です。

推奨度

★★★★

大見出し

中世世界成立の意義 古ゲルマン民族の社会と経済 帝政末期ローマ社会の変質 民族移動と西ローマ帝国の滅亡

ゲルマン部族国家の性格 過渡期の経済社会 フランク王国の発展過程 封建制起源論の諸問題 キリスト教世界の展開

東ローマ帝国のビザンツ化 回教徒とノルマン民族の侵寇 カールの戴冠と中世世界の成立

 

2006/08/23

『中世の奇蹟と幻想』 著:渡邊昌美

1989 岩波新書 220P

大部分が奇蹟譚や幻想譚の逸話紹介になっています。

その解説が三分の一ほどといった感じ。

話自体は興味深く面白いので、話そのものを楽しむだけなら問題無いのですが、

個人的にはもう少し解説を増やして欲しかったところです。

推奨度

★★★★

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不思議な物語 僧坊の夜語り 世々の伝え さまざまの聖者たち 生ける聖遺物

 

2006/08/19

『ポストコロニアリズム』 著:本橋哲也

2005 岩波新書 232P

結局何だかポストコロニアリズムがぼんやりした概念のままでしたよ。

コロニアリズムの方がまだ分かりまして、ポストコロニアリズムはその後ってだけの印象。

これはやはり説明すべきところでファノン、サイード、スピヴァクを持ち出して解説してしまったからかと。

その三人を引き出す前に、もう少し近代を素描してからの方が判りやすくなったかと思います。

日本の責任というのもイマイチよく分かりません。

推奨度

★★★

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1492年、頃にあるな夜明け 「食人種」とは誰のことか 植民地主義からの脱却─フランツ・ファノンとアルジェリア

「西洋」と「東洋」─エドワード・サイードとパレスチナ 階級・女性・サバルタン─ガヤトリ・スピヴァクとベンガル

「日本」にとってポストコロニアリズムとは何か

 

2006/08/16

『ホリスティック教育 いのちのつながりを求めて』 著:ジョン・P・ミラー

訳:吉田敦彦/中川吉晴/手塚郁恵

1994 春秋社 311P

ホリスティック教育論において最重要基本文献に挙げられるもの。

ホリスティック教育という教条的なものはなく、どういうものがホリスティックかという視点で書かれています。

なので、過去のホリスティックな教育論や教育実践を挙げて、

こういうのがホリスティックだねえと紹介していくというつくりになっています。

なので、正統的な教育史+異端的な教育史というようにも読めます。

ちなみにここでミラーの言っているホーリズムは、クワインのホーリズムとはまた違うものですので、

混同しないよう気を付けましょう。

推奨度

★★★★★

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なぜホリスティック教育なのか ホリスティック教育の理論的背景 ホリスティック教育の具体的実践

 

2006/08/13

『はじめの哲学』 著:三好由紀彦

2006 ちくまプリマー新書 174P

foundationalismつまり基礎づけ主義再考の一環と考えられましょう。

まあこの場合は、基礎に置くものをどうするかと考えるところのものですので、

そういう意味では基礎づけ主義なのですが。

はじめての哲学などではなく、はじめの哲学という表題も、それをあらわしています。

基礎づけ不可能という結果に辿り着きながら、我々は、何かしらを拠り所にしなければならないとし、

パスカル流に、「賭けろ!」と言います。

賭けの考えは好きです。

分の悪い賭は嫌いじゃない。

全面的に同意ではないですが、全体的に同意でオススメ。

推奨度

★★★★★

大見出し

存在の国の広さってどのくらいあるの? めざすは「いちばん最初の根っこ」だ 科学も迷信のうちのひとつ? 意識をつかまえるのは誰?

存在の国の最大の迷宮はここだ 存在の国の外側へ出てみる方法は? 生きているから、すべてはある

死後にも世界があったら、どうするの? 真理はいつもふたつあった

 

2006/08/07

『中世の風景(上)』 著:阿部謹也/網野善彦/石井進/樺山紘一

1981 中公新書 246P

日本史・西洋史の中世史研究者たちの対談、今からすると錚々たるメンバーですね。

下巻はまたいずれ読みます。

推奨度

★★★★

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海・山・川 職人 馬 都市